2026年の「夏はジブリ」は、8月7日・14日・21日の3週連続で、日本テレビ系「金曜ロードショー」にてスタジオジブリゆかりの名作が放送されました。ラインナップは『借りぐらしのアリエッティ』『風の谷のナウシカ』『となりのトトロ』。いずれもエンドロールを含むノーカット放送として告知され、夏休みのテレビを彩りました。
なぜ、夏になるとジブリ作品がテレビで放送されるのでしょうか。2026年10月時点で振り返ると、そこには夏休みの家族視聴との相性、世代を超えて楽しめる物語、長年積み重ねられてきたテレビ放送の実績があります。各作品の放送時間や見どころ、2014年以降の歴代ラインナップ、国内の動画配信状況まで整理します。
【2026年8月の放送日】3週連続で何が放送された?

日本テレビの「金曜ロードショー」公式番組情報とスタジオジブリ公式サイトによると、2026年は「3週連続夏はジブリ!!」と題して、8月の金曜日に3作品が編成されました。放送枠は作品ごとに異なり、特に『風の谷のナウシカ』は通常より30分拡大された枠で放送されました。
第1週:8月7日『借りぐらしのアリエッティ』放送時間は21時00分~22時59分。2010年公開の本作は、米林宏昌監督が手がけ、宮﨑駿が企画・脚本を担当した作品です。原作は、イギリスの作家メアリー・ノートンによる児童文学『床下の小人たち』です。
物語の主人公は、人間の家の床下で暮らす小人の少女アリエッティ。人間に見つからずに生活するという掟を守っていましたが、療養のため屋敷にやってきた少年・翔に姿を見られたことから、暮らしが大きく変わっていきます。
本作の見どころは、日常の道具が小人の視点では巨大な障害にも、冒険の道具にもなるという発想です。角砂糖や針、草花など、見慣れたものが異なるスケールで描かれることで、身近な世界の見え方が変わります。夏の庭の緑や光の表現も印象的で、3作品の幕開けにふさわしい冒険ファンタジーでした。
第2週:8月14日『風の谷のナウシカ』放送時間は21時00分~23時24分。1984年公開の本作は、宮﨑駿が原作・脚本・監督を担当し、高畑勲がプロデューサー、久石譲が音楽を担当しました。声の出演は島本須美、納谷悟朗、松田洋治、榊原良子らです。
舞台は、戦争によって文明が崩壊した未来。巨大な蟲が生息し、有毒な瘴気に覆われた「腐海」が広がる世界で、風の谷の王女ナウシカが、人間同士の争いや自然との向き合い方に直面します。
見どころは、迫力ある飛行シーンや巨大な生物の描写だけではありません。人間にとって脅威に見える自然にも独自の仕組みがあり、恐怖や憎しみだけでは問題を解決できないという視点が、物語の根幹にあります。環境問題や対立の連鎖を考えるうえでも、鑑賞するたびに異なる論点が浮かび上がる作品です。
なお、『風の谷のナウシカ』は1984年公開で、スタジオジブリ設立前に制作された作品です。現在はジブリの代表作の系譜として広く親しまれていますが、制作当時の歴史をたどる際には、この時系列も押さえておきたいところです。
第3週:8月21日『となりのトトロ』放送時間は21時00分~22時54分。1988年公開の本作は、宮﨑駿が原作・脚本・監督を担当し、久石譲が音楽を手がけました。日髙のり子、坂本千夏、糸井重里、島本須美らが声の出演を務めています。
小学6年生のサツキと4歳のメイが、病気療養中の母のために郊外へ引っ越し、森に棲む不思議な生きものトトロと出会う物語です。大きな事件を次々と解決する筋立てではなく、引っ越し先の家、田畑、森、雨の日のバス停など、日常の風景のなかに不思議が入り込んでいきます。
魅力は、子どもたちの好奇心と、自然のなかで過ごす時間の豊かさを丁寧に描いている点です。セリフで説明しすぎず、音や風景、登場人物のしぐさで感情を伝えるため、子どもの頃に見た人が大人になって再鑑賞しても、新しい印象を受けやすい作品です。
【作品の関係性を比較】3作の制作陣と見どころを一覧表で整理
2026年のラインナップは、2010年の冒険ファンタジー、1984年の文明と自然をめぐる物語、1988年の家族と自然のファンタジーという組み合わせでした。年代も作風も異なる3作品を並べることで、「ジブリらしさ」が一つの表現に限られないことがわかります。
| 放送日・作品 | 制作陣・主要キャスト | 物語の中心 | 注目したい見どころ |
|---|---|---|---|
| 8月7日 『借りぐらしのアリエッティ』 |
監督:米林宏昌 企画・脚本:宮﨑駿 声:志田未来、神木隆之介ほか |
小人の少女と人間の少年の出会い | 小さな視点から見た日用品、繊細な自然描写、異なる存在同士の交流 |
| 8月14日 『風の谷のナウシカ』 |
原作・脚本・監督:宮﨑駿 プロデューサー:高畑勲 音楽:久石譲 |
自然と人間、戦争と共存 | 腐海の謎、ナウシカの行動力、対立を超えようとする姿勢 |
| 8月21日 『となりのトトロ』 |
原作・脚本・監督:宮﨑駿 音楽:久石譲 声:日髙のり子、坂本千夏ほか |
姉妹の日常と森の不思議な生きもの | 昭和の郊外風景、子どもの想像力、自然と家族のぬくもり |
3作品に共通するのは、登場人物が自分の知らない世界に触れ、そこで何かを学ぶ構造です。ただし、その世界の描き方は異なります。アリエッティでは人間と小人の大きさの違い、ナウシカでは文明と自然の対立、トトロでは日常と不思議の境界が、物語を動かす中心になっています。
つまり、2026年の編成は、同じ制作会社の作品を3本並べただけではありません。視点の違う3つの物語を連続して放送することで、ジブリ作品が持つ表現の幅をあらためて示す構成だったと考えられます。
【なぜ夏にジブリ?】夏の定番化と歴代ラインナップ
夏休みと相性のよい作品を家族で楽しめる「夏はジブリ」が定着した理由の一つは、夏休みの家族視聴と作品の相性です。スタジオジブリ公式サイトは、2024年の放送告知で、夏休みの夜に親子で楽しめることに触れていました。日本テレビの2026年の番組告知も、家族で楽しめる作品を夏休みの夜に届けるという位置づけを示しています。
ジブリ作品には、子どもが冒険や不思議な生きものとの出会いを楽しめる一方、大人が自然、家族、社会、生命といったテーマを受け取れる作品が数多くあります。年齢の異なる家族が同じ作品を見ても、それぞれ違う部分に心を動かされることが、長く放送される背景の一つです。
「夏はジブリ」は一度限りの企画ではない歴代の放送をたどると、夏にジブリ作品を複数週にわたって編成する取り組みが、長年繰り返されてきたことがわかります。スタジオジブリ公式サイトや日本テレビの番組告知で確認できる主な例は次のとおりです。
- 2014年:「2014 夏はジブリ!」として、『もののけ姫』『となりのトトロ』『借りぐらしのアリエッティ』を3週連続で放送。『思い出のマーニー』の公開記念企画として告知されました。
- 2019年:『千と千尋の神隠し』『崖の上のポニョ』『天空の城ラピュタ』を3週連続で放送。『千と千尋の神隠し』など、世代を超えて親しまれる作品が並びました。
- 2022年:『天空の城ラピュタ』『となりのトトロ』『耳をすませば』を3週連続で放送。ジブリパークの開園を控えた時期でもありました。
- 2024年:『となりのトトロ』『天空の城ラピュタ』を2週連続で放送。エンディングまで完全ノーカットと告知されました。
- 2025年:『火垂るの墓』『崖の上のポニョ』『もののけ姫』を3週連続で放送。終戦80年にあたる8月15日には、『火垂るの墓』が編成されました。
- 2026年:『借りぐらしのアリエッティ』『風の谷のナウシカ』『となりのトトロ』を3週連続で放送しました。
この流れから見えるのは、毎年まったく同じ作品を繰り返すのではなく、定番作と異なる作風の作品を組み合わせていることです。2025年は戦争を描く『火垂るの墓』が放送され、2026年は冒険、環境、家族という異なるテーマが選ばれました。
夏に放送される理由は一つだけではない公式告知で確認できるのは、夏休みに家族で楽しめる番組として企画されていることです。一方、視聴率や広告効果など、特定の一つの要因が「夏はジブリ」の唯一の理由だと公式に説明されているわけではありません。
編集上の観点からは、夏休みという視聴機会の多い時期に、親子で見られる作品を連続編成することには合理性があります。加えて、放送作品を毎年入れ替えることで、過去に見た人には懐かしさを、初めて見る子どもには新鮮さを届けられます。長年の放送実績そのものが、次の夏の企画を認知してもらう土台にもなっています。
【ノーカット放送と配信状況】2026年秋にジブリ作品を見る方法
ノーカット放送はどこが違う?2026年の3作品は、いずれもエンドロールを含むノーカット放送として告知されました。放送枠は『借りぐらしのアリエッティ』が21時~22時59分、『風の谷のナウシカ』が21時~23時24分、『となりのトトロ』が21時~22時54分です。
ノーカット放送の利点は、映画本編の流れを途中で省略せずに楽しめることです。物語の展開だけでなく、細かな場面の積み重ねや音楽、エンドロールまで含めて鑑賞できます。ただし、テレビ番組としての放送にはCMが入るため、映画館やディスクでの連続再生と同じ視聴体験になるわけではありません。
ジブリ作品の配信状況は?2026年10月時点では、国内のNetflix、Amazon Prime Video、U-NEXT、Huluなどの主要な定額制動画配信サービスで、ジブリの長編映画を自由に見放題で楽しめる状況にはなっていません。配信情報をまとめた2026年10月のサービス案内では、Netflixで『火垂るの墓』が配信作品の例外として紹介されています。配信の有無や終了時期は変わることがあるため、視聴前に各サービスの公式作品ページで確認するのが確実です。
『となりのトトロ』や『風の谷のナウシカ』など、今回の3作品を放送後に見返したい場合は、次の方法が現実的です。
- 金曜ロードショーなどのテレビ放送:放送予定を確認して視聴する。放送日時は作品ごとに異なるため、番組公式情報を確認したいところです。
- DVD・Blu-ray:好きな作品を繰り返し見たい人や、家族で保管しておきたい人に向いています。
- DVDの店舗・宅配レンタル:購入せずに作品を見たい場合の選択肢です。在庫や利用条件はサービスごとに異なります。
- 特別上映:映画館や映画祭などで過去作が上映される機会もあります。大画面と音響で見直したい人は、地域の上映情報を確認するとよいでしょう。
海外ではジブリ作品の配信権が日本国内とは異なる形で扱われていますが、海外の配信サービスで視聴できる作品が日本国内でも同じように見られるとは限りません。「海外のNetflixで配信されている」という情報だけで、国内でも見放題だと判断しないことが大切です。
【夏はジブリの評判】繰り返し選ばれる理由とよくある誤解
世代によって違う楽しみ方ができる「夏はジブリ」の魅力を考えるうえで重要なのは、作品を初めて見る人と、何度も見てきた人が同じ放送を楽しめる点です。子どもにとってはトトロやネコバスとの出会いが冒険になり、大人にとっては自然の風景や家族の姿が記憶と重なることがあります。
『借りぐらしのアリエッティ』なら、小人の暮らしを通して身近な世界を新鮮に見直せます。『風の谷のナウシカ』では、自然や戦争をめぐる問題が物語の背景にあり、年齢を重ねるほど異なる論点に気づきやすくなります。『となりのトトロ』では、子どもの想像力と家族の日常の両方が描かれ、見る人の経験によって印象が変わります。
こうした多層的な楽しみ方が、再放送を単なる過去作品の再利用に終わらせない要素です。ただし、全国の視聴者がどの作品を最も好んでいるか、あるいは2026年の3作品の評判にどれほど差があったかは、視聴率や調査対象を確認せずに断定できません。作品の魅力と、視聴者全体の評価を示す統計は分けて考える必要があります。
「ジブリ作品なら全部、同じ配信サービスで見られる」は誤解国内の配信状況では、ジブリ作品が一括して見放題になっているわけではありません。また、テレビでノーカット放送された作品でも、放送終了後に同じ作品が見逃し配信されるとは限りません。放送で見た作品をあとから視聴したい場合は、テレビの再放送予定と配信サービスの作品情報を別々に確認する必要があります。
「毎年、同じ3作品が放送される」わけでもない歴代ラインナップを見ると、2019年の『千と千尋の神隠し』や『天空の城ラピュタ』、2025年の『火垂るの墓』、2026年の『借りぐらしのアリエッティ』など、作品の組み合わせは年によって変わっています。2024年には3週連続ではなく2週連続の編成でした。
そのため、「夏はジブリ」という企画名が使われていることと、毎年同じ日程・同じ作品が放送されることは別です。次の放送を知りたい場合は、前年のラインナップをそのまま当てはめず、日本テレビの番組公式情報やスタジオジブリの告知を確認するのが確実です。
【プロの結論】2026年の編成から読み解くジブリの強さ
2026年の「夏はジブリ」は、単に知名度の高い映画を並べた企画ではありません。『借りぐらしのアリエッティ』が身近な世界を別の視点から描き、『風の谷のナウシカ』が自然と人間の対立を問い、『となりのトトロ』が家族の日常と子どもの想像力を描くという、異なる魅力を持つ作品群でした。
この編成から見えてくるのは、ジブリ作品が特定の年齢層や一つのテーマに限定されないという強みです。初めて見る子どもは物語やキャラクターを楽しみ、大人は自然の描写や社会的なテーマ、登場人物の心情を読み取れます。再放送のたびに新しい受け取り方が生まれることが、夏の恒例企画を支える要素になっています。
一方で、作品を見たい人にとっては、テレビ放送の時期と国内の配信状況を把握しておくことも大切です。特定の作品を一度楽しめればよいなら放送を待つ方法があり、何度も見返したいならDVD・Blu-rayなどの所有も選択肢になります。作品選びと視聴方法を分けて考えると、自分に合った楽しみ方を見つけやすくなります。
【夏はジブリ】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:2026年の「夏はジブリ」はいつ放送されましたか?
A1:8月7日に『借りぐらしのアリエッティ』、8月14日に『風の谷のナウシカ』、8月21日に『となりのトトロ』が放送されました。いずれも金曜ロードショーでのノーカット放送として告知されました。
Q2:2026年の3作品はすべてノーカット放送でしたか?
A2:はい。スタジオジブリ公式サイトと日本テレビの番組公式情報では、3作品ともエンドロールを含むノーカット放送として案内されていました。放送枠は作品によって異なります。
Q3:2026年現在、ジブリ作品はNetflixやAmazon Prime Videoで見られますか?
A3:2026年10月時点では、国内の主要な定額制動画配信サービスでジブリの長編映画を見放題で視聴できる作品は限られています。配信作品の例外として『火垂るの墓』がNetflixで紹介されていますが、ほかの作品はテレビ放送やDVD・Blu-ray、レンタルなども確認するとよいでしょう。配信状況は変わるため、各サービスの公式情報で最新の取り扱いを確かめてください。
2026年の「夏はジブリ」は、8月7日・14日・21日に『借りぐらしのアリエッティ』『風の谷のナウシカ』『となりのトトロ』を3週連続で放送する形で実施されました。作品ごとに異なるテーマを持ちながら、世代を超えて楽しめる点が、夏の定番企画として繰り返し編成される背景にあります。
歴代の放送を振り返ると、作品の組み合わせや週数は年ごとに変化しています。次の夏の放送作品を知りたい場合は、前年のラインナップから予測するのではなく、金曜ロードショーやスタジオジブリの公式発表を確認するのが確実です。放送後に見返したい作品については、国内の配信状況とディスク・レンタルの選択肢もあわせて確認しておきましょう。