大根を買ったとき、葉を切り落として捨てていませんか。実は、大根の葉は低カロリーでありながら、β-カロテン、ビタミンC、カルシウム、葉酸、食物繊維などを含む栄養価の高い野菜です。大根の根と葉では栄養成分の構成が大きく異なり、葉には根より豊富な栄養素がいくつもあります。
文部科学省の「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」と食品成分データベースに掲載された数値をもとに、2026年10月時点で確認できる大根葉の栄養成分を解説します。100gあたりのカロリーや主要栄養素、生とゆでの違い、栄養を逃しにくい調理法、下ごしらえ、保存方法、おすすめレシピまで、毎日の食事に役立つ情報をまとめました。
【まず結論】大根葉は低カロリーで栄養豊富!注目したい5つの栄養素

大根葉の魅力は、エネルギーが少ない一方で、ビタミンやミネラル、食物繊維をまとめて摂取できることです。特に注目したいのは、β-カロテン、ビタミンC、カルシウム、葉酸、食物繊維の5つです。
1. β-カロテン:緑黄色野菜としての強み生の大根の葉には、可食部100gあたりβ-カロテンが3,900μg含まれています。β-カロテンは体内で必要に応じてビタミンAに変換され、皮膚や粘膜の健康維持、正常な視覚機能などに関わる栄養素です。
大根の根と葉を比べたとき、特に差が大きいのがこのβ-カロテンです。皮つきの生の根では成分表上の値が0μgであるのに対し、葉には豊富に含まれています。根だけでなく葉も食べることで、食事から摂れる栄養素の幅を広げられます。
2. ビタミンC:生の葉100gあたり53mg大根葉のビタミンCは、生100gあたり53mgです。ビタミンCはコラーゲンの生成や抗酸化作用に関わり、植物性食品に含まれる鉄の吸収も助けます。
ただし、ビタミンCは水に溶けやすく、熱にも影響を受ける栄養素です。長時間ゆでて湯を捨てる調理では、摂取できる量が減る場合があります。ビタミンCをなるべく残したいなら、短時間の加熱や電子レンジを利用した調理、汁ごと食べられる料理が選択肢になります。
3. カルシウム:骨や歯の健康を支える大根葉のカルシウムは、生100gあたり260mgです。カルシウムは骨や歯の形成に欠かせないミネラルで、筋肉の収縮や神経の働きにも関係しています。
同じ100gで比べると、皮つきの生の大根の根に含まれるカルシウムは24mgです。葉は根より多くのカルシウムを含みます。ただし、食品に含まれる量と、実際に体内へ吸収される量は同じではありません。大根葉だけで必要量を満たそうとせず、乳製品、大豆製品、魚介類なども組み合わせましょう。
4. 葉酸:細胞の生成や赤血球の形成に関わる大根葉の葉酸は、生100gあたり140μgです。葉酸はDNAの合成や細胞の分裂、赤血球の形成に関わるビタミンB群の一種です。
葉酸は妊娠を計画している人や妊娠中の人にも重要ですが、大根葉を食べれば必要量を必ず満たせるという意味ではありません。必要な摂取量はライフステージなどによって異なるため、ほかの食品も含めて食事全体で考えることが大切です。
5. 食物繊維:葉ならではの摂取源生の大根葉には、100gあたり食物繊維が4.0g含まれています。内訳は水溶性食物繊維0.8g、不溶性食物繊維3.2gです。
食物繊維は便通や腸内環境の維持に関係し、食事全体の栄養バランスを整えるうえでも重要です。大根の根にも食物繊維はありますが、同じ重量で比べると葉のほうが多く含まれています。
【文部科学省の成分表】大根葉のカロリーと栄養成分を100gで比較
大根葉の栄養成分を具体的な数字で確認するには、文部科学省の「日本食品標準成分表」が参考になります。2026年10月時点で、文部科学省の公表履歴に掲載されている最新の公表版は「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」です。
以下は、同成分表の食品番号06130「(だいこん類)だいこん・葉・生」、06131「だいこん・葉・ゆで」、06132「だいこん・根・皮つき・生」の値を比較したものです。数値はいずれも可食部100gあたりです。
| 栄養成分 | 大根の葉・生 | 大根の葉・ゆで | 大根の根・皮つき・生 |
|---|---|---|---|
| エネルギー | 23kcal | 24kcal | 15kcal |
| たんぱく質 | 2.2g | 2.2g | 0.5g |
| β-カロテン | 3,900μg | 4,400μg | 0μg |
| ビタミンC | 53mg | 21mg | 12mg |
| カルシウム | 260mg | 220mg | 24mg |
| 葉酸 | 140μg | 54μg | 34μg |
| 食物繊維総量 | 4.0g | 3.6g | 1.4g |
| カリウム | 400mg | 180mg | 230mg |
出典:文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」食品成分データベース。値は食品の種類や調理状態ごとに収載された標準値であり、実際の含有量は品種、産地、収穫時期、鮮度などによって変動します。
大根の葉と根では、どちらが栄養豊富?上の表から分かるように、葉は根よりもβ-カロテン、カルシウム、ビタミンC、葉酸、食物繊維を多く含みます。一方、根は葉よりもエネルギーが低く、水分が多いという特徴があります。
大根の根は、煮物やおでん、汁物、おろしなどに使いやすく、葉は炒め物、ふりかけ、和え物などに向いています。どちらか一方が絶対に優れているというよりも、根と葉を一緒に食べることで、異なる栄養素を効率よく食事に取り入れられると考えるのが適切です。
「大根の葉」と「葉だいこん」は同じ?文部科学省の成分表では、一般的な大根の葉と、葉を食用にする品種の「葉だいこん」が別の食品として登録されています。例えば、葉だいこんの生の葉は100gあたり17kcal、β-カロテン2,300μg、カルシウム170mg、ビタミンC49mgです。
一般的な大根の葉の数値を調べているのに、葉だいこんの成分値を参照すると数字が一致しないことがあります。栄養成分を比較するときは、食品名だけでなく、品種や「生」「ゆで」などの調理状態までそろえて確認することがポイントです。
【生とゆでの栄養比較】大根葉の栄養を逃さない調理法とは
大根葉は、生とゆでで栄養成分の数値が変わります。特に注目したいのは、ビタミンCと葉酸です。
ゆでるとビタミンCや葉酸が減る文部科学省の成分表では、生の大根葉100gあたりのビタミンCは53mgですが、ゆでたものでは21mgです。葉酸も生の140μgから、ゆでたものでは54μgに変わっています。
ビタミンCや葉酸は水に溶けやすく、ゆで汁を捨てると水に移った分も失われます。厚生労働省のeJIMが紹介するビタミンCの解説でも、保存や調理による含有量の減少と、蒸し加熱や電子レンジを活用する方法が説明されています。
ただし、この表の生とゆでの値は、同じ100gという重量での比較です。文部科学省の調理方法の記載では、大根葉の「ゆで」は、ゆでたあとに湯切り、水冷、手搾りを行い、重量変化率は79%とされています。加熱によって水分が減るため、100gあたりの値だけで元の葉に含まれていた栄養素の残存率を正確に計算することはできません。
β-カロテンは油を使った調理と相性がよいβ-カロテンは脂溶性の栄養素です。油と一緒に調理すると、体内での吸収を助けることが期待できます。
大根葉を細かく刻み、少量の油で炒める方法は、β-カロテンを含む葉をおいしく食べるための実用的な選択肢です。ごま油で炒めたり、油揚げと組み合わせたりすると、風味も加わります。
なお、成分表ではβ-カロテンが生100gあたり3,900μg、ゆで100gあたり4,400μgとなっていますが、これはゆでることでβ-カロテンが新たに増えたことを意味するわけではありません。水分量や重量の変化を踏まえて読む必要があります。
栄養を活かす調理法は、目的で選ぶ- ビタミンCをなるべく残したい:電子レンジで短時間加熱する、蒸す、さっと炒めるなど、水に長くさらさない方法を選ぶ。
- β-カロテンを活かしたい:油を少量使った炒め物や、油揚げと合わせた料理にする。
- ゆで汁に移る栄養素も無駄にしたくない:みそ汁やスープに入れ、汁ごと食べる。
- 食物繊維を摂りたい:葉を細かく刻み、ふりかけや炒め物、汁物などで継続的に食べる。
どの調理法でも、すべての栄養素を完全に残すことはできません。特定の栄養素だけを追い求めるより、炒め物、汁物、和え物などを組み合わせるほうが、無理なく大根葉を食卓に取り入れられます。
【下ごしらえと保存方法】大根葉の鮮度とおいしさを保つコツ
大根葉をおいしく食べるには、購入後の下ごしらえも大切です。葉は水分が失われるとしおれやすく、鮮度が落ちるにつれて食感や品質も変化します。
大根の葉の下ごしらえは3ステップ- 根と葉を切り分ける。葉が付いた大根を購入したら、根と葉を分けて保存します。葉を付けたままにせず、別々に管理することで、根と葉それぞれの状態を保ちやすくなります。
- 流水で丁寧に洗う。葉の付け根や茎の間には土が残りやすいため、葉を広げながら流水で洗います。農林水産省も、生野菜は調理や喫食の前に飲用に適した流水でしっかり洗うよう案内しています。
- 茎と葉を分けて切る。太い茎は細かく刻み、葉は用途に合わせて切ります。茎は葉より火が通りにくいため、炒め物では茎から先に加熱し、葉をあとから加えると食感を整えやすくなります。
調理前に長時間水へ浸す必要はありません。汚れを落としたら水気を切り、できるだけ早めに調理しましょう。下ゆでする場合も、必要以上に長くゆでないことがポイントです。
冷蔵保存は乾燥を防ぎ、できれば立てる大根葉は、乾燥するとしおれやすくなります。洗ってから保存する場合は、しっかり水気を切ってからキッチンペーパーなどで包み、ポリ袋に入れて冷蔵庫の野菜室で保管します。葉物野菜は、可能なら根元を下にして立てて保存すると、状態を保ちやすくなります。
農林水産省が紹介する葉物野菜の保存方法でも、乾燥を防ぐことと、できるだけ立てた状態で保存することが勧められています。大根葉も、購入後は鮮度がよいうちに使い切るのが基本です。
使い切れない大根葉は冷凍保存もできるすぐに使い切れない場合は、冷凍保存も便利です。汚れを落として水気を切り、使いやすい大きさに刻んで小分けにしておけば、みそ汁や炒め物に必要な分だけ取り出せます。
食感を保ちやすくしたい場合は、短時間ゆでて冷水で冷まし、水気をしっかり絞ってから小分けにして冷凍する方法があります。ただし、下ゆでや冷凍保存によって栄養成分や食感が変化する可能性はあります。ビタミンCなどの損失をできるだけ抑えたい場合は、下ゆでを短時間にすることも意識しましょう。
【おすすめレシピ4選】大根葉の栄養をおいしく摂る食べ方
大根葉は、葉そのものの味を楽しめるだけでなく、ほかの食材と組み合わせやすいのも魅力です。家庭で作りやすく、異なる調理法を取り入れられる4つのレシピを紹介します。
1. 大根葉とじゃこのふりかけおすすめの人:ご飯のお供として少しずつ食べたい人、作り置きしたい人。
刻んだ大根葉をごま油で炒め、ちりめんじゃこを加えます。しょうゆやみりんで味を調え、最後に白ごまを混ぜれば完成です。
大根葉に含まれるβ-カロテンを意識しながら、油を使って調理できるのが利点です。じゃこを加えることでカルシウムも含む一品になります。ただし、しょうゆやじゃこによって塩分が増えるため、味付けは控えめにしましょう。
2. 大根葉と油揚げのみそ汁おすすめの人:葉を一度に使いたい人、汁物で手軽に食べたい人。
大根葉を細かく刻み、だしで煮た油揚げに加えます。茎を先に入れて火を通し、葉は仕上げに加えると、加熱しすぎを防ぎやすくなります。最後にみそを溶けば完成です。
ゆで汁を捨てる料理とは違い、汁ごと食べられるため、水に溶け出した栄養素も料理と一緒に摂取できます。ただし、ビタミンCなどは加熱によっても変化するので、葉を入れてから長時間煮込まないようにしましょう。
3. 大根葉のごま和えおすすめの人:さっぱりした副菜を作りたい人、油を使う料理が続いている人。
大根葉をさっとゆでて冷水に取り、水気を絞って食べやすく切ります。すりごま、しょうゆ、少量のみりんなどで和えれば完成です。
ごまの風味で葉の青い香りが和らぎ、食べやすくなります。ゆで時間を短くし、必要以上に水にさらさないことがポイントです。ゆでる方法を選ぶ場合は、ビタミンCや葉酸が減る可能性も踏まえて、ほかの調理法と使い分けましょう。
4. 大根葉と豚肉の炒め物おすすめの人:主菜に野菜を加えたい人、食べ応えのある料理が好きな人。
大根葉を細かく刻み、豚肉と一緒に炒めます。茎を先に加熱してから葉を入れ、しょうゆ、酒、しょうがなどで味付けします。油を使う炒め物なので、β-カロテンを含む大根葉を日常の食事に取り入れる方法としても便利です。
豚肉を合わせることで、たんぱく質やビタミンB群も摂取できます。大根葉だけに栄養を頼るのではなく、肉や魚、豆腐などのたんぱく源と組み合わせると、食事全体のバランスを整えやすくなります。
【プロの結論】大根葉は捨てずに、目的に合わせて調理するのが正解
大根葉の栄養を調べるうえで押さえたいのは、葉と根の栄養成分は異なること、そして調理法によって成分値が変わることです。生の大根葉は100gあたり23kcalと低カロリーで、β-カロテン3,900μg、ビタミンC53mg、カルシウム260mg、葉酸140μg、食物繊維4.0gを含みます。
根は水分が多く、葉はビタミンやミネラル、食物繊維を補いやすいという違いがあります。葉を捨ててしまうと、こうした栄養素を食事に取り入れる機会も失われます。新鮮な葉が手に入ったら、まずはふりかけやみそ汁など、無理なく食べ切れる料理から試すのがおすすめです。
調理法は、ビタミンCや葉酸を意識するなら短時間の加熱や汁ごと食べる料理、β-カロテンを意識するなら油を使った炒め物というように使い分けましょう。どの方法にも長所があり、ひとつの調理法だけにこだわる必要はありません。
栄養成分の数値を比較するときは、文部科学省の成分表に記載された食品名、調理状態、可食部100gあたりという条件をそろえて確認することが大切です。日々の献立に大根葉を加え、根と葉の両方を活用することが、食材を無駄なく使いながら栄養バランスを整える実践的な方法です。
【大根葉の栄養】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:大根の葉は毎日食べても大丈夫ですか?
A1:一般的には、日々の食事の一部として取り入れられる野菜です。ただし、大根葉だけを大量に食べるのではなく、さまざまな野菜や食品を組み合わせましょう。ワルファリンなど、ビタミンKの摂取量に注意が必要な薬を使用している人は、食べる量を大きく変える前に医師や薬剤師へ相談してください。
Q2:大根葉は生で食べるほうが栄養豊富ですか?
A2:生の状態では、成分表上のビタミンCや葉酸がゆでた状態より多くなっています。一方、加熱したほうが食べやすくなる場合もあります。栄養素によって調理の影響が異なるため、生だけが最適とは限りません。短時間の加熱や汁ごと食べる料理も活用しましょう。
Q3:大根葉のカロリーは100gあたり何kcalですか?
A3:文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」では、生の大根葉は100gあたり23kcal、ゆでたものは24kcalです。どちらも比較的低カロリーですが、炒め物などでは使用する油や調味料によって料理全体のエネルギーが変わります。
Q4:大根葉の栄養を逃さないためには、どの調理法がおすすめですか?
A4:ビタミンCや葉酸を意識するなら、長時間ゆでて湯を捨てる方法を避け、短時間加熱や汁ごと食べる料理を選びましょう。β-カロテンを意識するなら、少量の油で炒める方法もおすすめです。食べやすさや献立に合わせて使い分けると、無理なく継続できます。
Q5:大根葉はどのくらい保存できますか?
A5:保存期間は購入時の鮮度や保存状態によって異なります。根と葉を分け、乾燥を防いで冷蔵庫の野菜室に保管し、できるだけ早めに使い切るのが基本です。すぐに食べられない場合は、刻んで小分けにして冷凍すると、みそ汁や炒め物に使いやすくなります。
大根葉は、β-カロテン、ビタミンC、カルシウム、葉酸、食物繊維を含む、低カロリーで栄養価の高い食材です。文部科学省の成分表では、生の大根葉100gあたり23kcalで、同じ重量の皮つきの生の根よりも、複数のビタミンやミネラル、食物繊維を多く含むことが確認できます。
一方、生とゆでの比較では、ビタミンCや葉酸などの数値に差が生じます。栄養を無駄なく摂るためには、調理法を目的に応じて選び、鮮度がよいうちに下ごしらえをして保存することが大切です。
大根の根を煮物に使う日には葉をみそ汁に、葉がたくさん余った日はふりかけや炒め物に。こうした小さな工夫を重ねることで、大根を一本丸ごと活用しながら、毎日の食事に多様な栄養素を取り入れられます。