Cat's Meow Booksの最大の特徴は、猫が必ずどこかに登場する本だけを集めていることだ。
一般的な猫専門店や猫カフェとは異なり、中心にあるのはあくまで書店。本を購入することが保護猫支援につながり、店内では元保護猫の猫店員たちが自由に過ごしている。
猫が登場すればジャンルを問わず「猫本」2026年5月に公開されたZEN PLACEの取材記事によると、店内には新刊と古書を合わせて約3,500冊が並ぶ。内訳は新刊が約7割、古書が約3割だ。
取り扱うジャンルも幅広い。
- 写真集・絵本: 猫の表情や暮らしを楽しめる作品
- 漫画: 猫が主人公の作品や猫が登場するコミック
- 小説・エッセイ: 物語の一場面に猫が登場する文学作品
- ノンフィクション: 猫の生態や人間と動物の関係を描いた作品
- 実用書・図鑑: 猫との暮らしや動物について学べる本
興味深いのは、表紙に猫が描かれているかどうかだけで選んでいないことだ。
安村さんによると、同店では本の中に「猫」という言葉や猫の登場があれば、幅広く猫本として扱う。開店当初は夫婦で書店を巡り、実際にページをめくって猫が登場するかを確認していたという。
この選書基準によって、猫好きが普段なら手に取らない小説や文学作品にも出会える。
猫店員がつくる独特の空間店内で過ごしているのは、保護猫として迎え入れられた猫たちだ。
2026年春から夏にかけての取材では、サビ猫のなつめ、長毛のあおい、三毛猫のかりんが紹介されている。かりんは当時、まだ本格的な店頭デビュー前だった。
猫たちは接客を強制されることなく、眠ったり、店内を移動したり、自分のペースで過ごす。
この自然体の雰囲気も、一般的な猫カフェとは違う魅力だ。
なお、猫と必ず触れ合えるサービスではない。写真撮影は店主に確認し、触れる場合も猫が自分から近寄ってきたときに限るなど、猫の意思と安心を優先したい。
【開店経緯】安村正也さんはなぜ夢の猫本屋をつくったのか?

Cat's Meow Booksの誕生には、店主・安村正也さんの猫との出会いと、保護できなかった命への後悔が関係している。
3匹の子猫との出会いが人生を変えた2025年12月のFNNプライムオンラインの特集では、開店の原点となった出来事が紹介された。
約20年前、安村さんの住んでいた家の中庭で、野良猫が3匹の子猫を産んだ。
ところが、その後、母猫が育児放棄をしてしまう。
子猫たちは弱っていき、2匹は命を落とした。残された1匹は安村さんが保護し、「三郎」と名付けて飼うことになった。
当時は現在ほど保護猫という言葉が一般的ではなく、安村さんは適切な助言や支援を得られなかったことを後悔していたという。
この経験が、行き場のない猫を支援する活動への関心につながった。
2016年春に具体化した開業構想安村さんは以前から、本と猫、そしてビールに囲まれた暮らしを思い描いていた。
趣味として続けていたビブリオバトル(参加者がおすすめの本を紹介し合う活動)も、本屋を開く構想の土台になった。
2016年春には、具体的な開業プランを作成。書店経営について学ぶ講座にも参加し、店舗のコンセプトを固めていった。
開業に向けてはクラウドファンディングも活用。会社員としての収入を維持しながら準備を進め、2017年8月8日、世界猫の日にオープンした。
書籍『夢の猫本屋ができるまで』にも開業の舞台裏著者:井上理津子
協力:安村正也
出版:ホーム社
内容:開業計画、具体的な準備、開店後の現実、進化する書店の姿を追ったノンフィクション。
この本は、猫好きのための読み物であると同時に、小規模書店の経営やクラウドファンディング、パラレルキャリアを考える人にも参考になる一冊だ。
集英社の書誌情報でも、同書は猫と本屋が互いに助け合うという独自の事業構想を紹介している。
【保護猫支援の仕組み】売上10%寄付は本当にすごい?猫店員との関係を検証
Cat's Meow Booksを一般的な猫好き向け書店と区別する、もう一つの大きな特徴が寄付制度だ。
店の売上の10%を保護猫活動団体へ寄付する。
ここで重要なのは、利益の10%ではなく売上の10%という点である。
なぜ利益ではなく売上の10%なのか2025年のSUUMOジャーナルの取材で、安村さんは寄付の基準を売上にした理由を説明している。
利益の10%では、経費を差し引いた後の金額が基準になるため、寄付額が小さくなりやすい。
一方、売上の10%なら、購入者にも寄付への貢献が分かりやすい。
例えば、対象となる売上が1万円だった場合、寄付額は1,000円となる。
売上10%寄付の仕組み
10%
売上に対する寄付割合
売上10,000円
1,000円を寄付
売上50,000円
5,000円を寄付
売上100,000円
10,000円を寄付
計算例。実際の寄付対象期間や対象売上の集計方法は店舗の運営に従う。
この方式は、書店の経営と社会貢献を一つの仕組みに結び付けている。
猫店員は単なる看板猫ではない元保護猫を店員として迎えることには、保護猫の存在を多くの人に知ってもらう目的もある。
FNNの取材では、安村さんが引き取り手を見つけにくかった猫エイズキャリアの猫たちも迎え入れてきた経緯が紹介されている。
病気を抱えていても、適切な環境で穏やかに暮らせる猫がいる。
ペットショップから迎える以外にも、保護猫団体から猫を迎える選択肢がある。
猫店員たちの存在そのものが、こうした情報を自然に伝える役割を担っている。
誰が関わり、どのようにつながっているのか| 関係する存在 | Cat's Meow Booksとの関係 | 役割・意味 |
|---|---|---|
| 安村正也さん | 店主・運営者 | 店舗の構想と運営、保護猫支援を推進 |
| 元保護猫たち | 猫店員 | 保護猫の存在や魅力を伝える |
| 保護猫活動団体 | 寄付先 | 猫の保護活動を支える |
| 来店客・通販利用者 | 購入者・支援者 | 本の購入を通じて寄付に参加 |
| 井上理津子さん | 開業記録の著者 | 『夢の猫本屋ができるまで』で誕生の背景を紹介 |
| 出版社・作家 | 取引・創作上の関係者 | 猫本の供給や展示、出版企画を通じて協力 |
この関係を整理すると、同店は単に本を販売して寄付するだけの事業ではない。
猫が来店のきっかけになり、本が売れ、その売上の一部が保護活動に回る。さらに購入者が猫や動物福祉に関心を持つ。
こうした循環が店舗のコンセプトを支えている。
【2026年最新の評判と現在】猫本屋として何が評価されている?
Cat's Meow Booksの評判を考える際には、単純な猫との触れ合いだけで評価するのは適切ではない。
2026年の取材記事から見えてくる魅力は、選書、猫店員、保護猫支援、地域の交流という複数の要素にある。
評判が集まる3つの理由1.普通の本屋では出会えない選書
約3,500冊という品ぞろえに加え、新刊・古書を横断して猫が登場する本を集めている。
猫の写真集を探している人だけでなく、文学やエッセイを読みたい人にも新しい発見がある。
2.猫店員と過ごせる落ち着いた時間
猫が店内で自由に過ごすため、来店者は猫の自然な姿を眺めながら本を選べる。
ただし、猫が寝ている場合もあり、必ず交流できるわけではない。猫のペースを尊重する店の姿勢が特徴だ。
3.買い物が保護猫支援につながる
本を購入するという日常的な行動を通じて、保護猫活動を応援できる。
寄付を目的に来店する人だけでなく、本との出会いをきっかけに動物福祉への関心が広がる点も魅力となっている。
2026年に確認できる新しい動き2026年3月、freee公式noteのインタビューでは、安村さんが会社員を退職し、現在は書店運営に専念していることが明かされた。
もともとは会社員とのパラレルキャリアだったが、コロナ禍で通販を始めたことなどをきっかけに、店舗運営の負担や仕事のあり方を見直したという。
また、2026年5月のZEN PLACEの取材では、約3,500冊の蔵書や元保護猫の店員たち、海外からの来店客についても紹介されている。
加えて、2026年7月には街のニュース編集部が、秋に向けた月額制サービスの構想を報じた。
10月にはオンラインショップで新刊やサイン本の予約、イベント情報などが掲載されており、実店舗以外の活動も続いている。
2026年の活動をどう見るべきか注目したいのは、開店時のコンセプトを守りながら、販売方法や出版活動を広げていることだ。
小規模な独立系書店にとって、実店舗だけで売上を確保するのは簡単ではない。
Cat's Meow Booksは、通販、イベント、作家との交流、オリジナル出版などを組み合わせている。
これは猫というテーマの強さだけに依存せず、書店として継続するための経営上の工夫でもある。
【アクセス・営業時間・オンラインショップ】初めて訪れる人の利用ガイド
実際に訪れたい人に向けて、所在地や営業時間、通販の利用方法を整理する。
店舗情報・アクセス
Cat's Meow Books(キャッツミャウブックス)
所在地
東京都世田谷区若林1-6-15
最寄り駅
- 東急世田谷線・西太子堂駅から徒歩約2分
- 三軒茶屋駅から徒歩約10分
通常営業時間
11:00~19:00
定休日
月曜日・火曜日(祝日は営業する場合あり)
2026年の取材記事に掲載された通常営業情報。イベントや臨時休業などは公式Xで最新情報を確認したい。
初めて訪れる場合は、東急世田谷線の西太子堂駅を利用すると便利だ。
西太子堂駅からは徒歩約2分。三軒茶屋駅からも徒歩圏内にあるため、街歩きと組み合わせて訪問できる。
住宅街の中にある店舗なので、訪問前に地図アプリで住所を確認しておくと安心だ。
オンラインショップでも購入できる
Cat's Meow Books Virtual Shop β
実店舗に足を運べない人は、オンラインショップを利用できる。
猫店員と一緒に撮影された本の紹介や、ジャンル別の商品、直筆サイン入り書籍、限定特典付き商品などが掲載されている。
オンライン販売はコロナ禍に実店舗への来店が難しくなったことをきっかけに始まった。
2026年10月時点でも、ショップには月別の新着紹介ページがあり、商品を選んで購入できる。
また、通販ではオリジナルの紙製ブックカバーが付くなど、同店ならではの購入特典もある。
実店舗と通販の違い| 比較項目 | 実店舗 | オンラインショップ |
|---|---|---|
| 本の購入 | 可能 | 可能 |
| 猫店員との出会い | タイミング次第 | 写真などで楽しめる |
| 店内の雰囲気 | 体験できる | 体験できない |
| 商品の確認 | 実物を見られる | 商品説明・画像で確認 |
| 限定商品 | 店頭販売あり | 通販限定・予約商品あり |
| 保護猫支援 | 売上の10%を寄付 | 売上の10%を寄付 |
通販の場合、商品によって在庫状況や発送方法、送料が異なる。購入前にショップ内の商品説明と送料案内を確認したい。
【猫本サブスクリプションの料金】2026年秋に始まる新サービスとは?
2026年に新たに注目されているのが、Cat's Meow Booksの猫本サブスクリプション構想だ。
2026年7月19日に公開されたcommonの取材記事では、安村さんが秋に月額制サービスを始める予定であることが紹介された。
「猫本とアイサプリ」という新しい構想報道されたサービスの構想は、次の3つを組み合わせるものだ。
- 猫本: 安村さんが選んだ新刊書籍
- コーヒー: 読書時間を楽しむための商品
- アイケアサプリ: 読書習慣を続けるためのオリジナル商品
背景にあるのは、常連客から寄せられた「年齢を重ねて本が読みづらくなってきた」という声だった。
そこで安村さんは、書籍とアイケア商品を組み合わせるアイデアを考えたという。
これは単なる猫グッズの定期購入ではなく、読書そのものを生活習慣として楽しんでもらうための企画といえる。
月額料金はいくら?利用前に知っておきたいこと
2026年10月29日時点の公開情報
料金未公表
確認できる2026年7月の取材記事では、サービス開始予定と内容の構想が紹介されている。
| 確認項目 | 公開情報 |
|---|---|
| サービス構想 | 猫本とアイサプリ |
| 提供形式 | 月額制 |
| 選書 | 安村さんが担当する構想 |
| コーヒー | セットに含める構想 |
| アイケア商品 | オリジナル商品の構想 |
| 月額料金 | 公表を確認できず |
| 申込条件 | 公表を確認できず |
2026年7月の記事では秋の開始予定とされているものの、10月29日時点で料金や募集条件を確定できる公開情報は確認できない。
そのため、具体的な月額料金を予算として見積もるのはまだ早い。
申し込みを検討する場合は、公式オンラインショップや公式Xで開始告知、料金、配送頻度、解約条件を確認するのが確実だ。
【プロの結論】Cat's Meow Booksはどんな人におすすめ?訪問前の判断基準
Cat's Meow Booksの価値は、猫がいることだけでは説明できない。
本屋としての選書、保護猫支援、地域の交流、通販や出版事業への挑戦が、一つのコンセプトでつながっている。
おすすめできる人- 猫に関する写真集や小説、絵本を探している人
- 一般的な大型書店では出会えない本を探したい人
- 保護猫活動を身近な形で応援したい人
- 猫が自然体で暮らす落ち着いた空間が好きな人
- 独立系書店や個性的な店舗の経営に関心がある人
- 三軒茶屋周辺で個性的な街歩きスポットを探している人
- 猫との触れ合いや抱っこを必ず楽しみたい人
- 猫カフェのようなサービスを期待している人
- 一般的な書店と同じように幅広いジャンルの本を探している人
- 猫の都合に合わせて静かに過ごすことが難しい人
1. 営業日と営業時間を公式Xで確認する。
2. 猫店員の体調や店頭での様子を考慮する。
3. 写真撮影や猫との接触は店主の案内に従う。
4. 欲しい本がある場合はオンラインショップで在庫を確認する。
5. 保護猫支援の仕組みを理解したうえで買い物を楽しむ。
特に大切なのは、猫店員をサービスの一部として考えすぎないことだ。
猫たちが安心して暮らせる環境を守ることが、この店のコンセプトの根幹にある。
【Cat's Meow Booksのよくある質問(FAQ)】
Q1:Cat's Meow Booksはどこにありますか?
A1:東京都世田谷区若林1-6-15にあります。東急世田谷線の西太子堂駅から徒歩約2分、三軒茶屋駅から徒歩約10分です。
Q2:Cat's Meow Booksの営業時間と定休日は?
A2:通常営業時間は11時から19時で、月曜日と火曜日が定休日です。祝日営業やイベントによる変更もあるため、訪問前に公式Xを確認してください。
Q3:本当に元保護猫が店員をしているのですか?
A3:はい。猫店員は元保護猫として迎え入れられた猫たちです。店内では自由に過ごしており、猫の意思や体調を尊重した運営が行われています。
Q4:売上の10%は本当に保護猫活動に寄付されるのですか?
A4:店主の安村正也さんが公表している取り組みです。利益ではなく売上の10%を保護猫活動団体に寄付する仕組みを採用しています。
Q5:オンラインショップでも保護猫支援に参加できますか?
A5:はい。オンラインショップでの購入も同店の売上につながり、保護猫支援を応援できます。新刊、古書、サイン本なども取り扱っています。
Q6:猫本のサブスクリプションはいくらですか?
A6:2026年7月の取材では、猫本・コーヒー・オリジナルのアイケアサプリを組み合わせた月額制サービスが紹介されました。ただし、2026年10月29日時点で具体的な料金や申込条件は確認できません。
Q7:『夢の猫本屋ができるまで』はどんな本ですか?
A7:井上理津子さんが執筆し、安村正也さんが協力した開業記です。猫本専門店の構想から開店準備、実際の店舗運営までを知ることができます。
Q8:猫カフェのように猫と遊べますか?
A8:猫カフェとは異なります。猫店員は自由に過ごしており、必ず触れ合えるわけではありません。猫から近寄ってきたときに接するなど、猫のペースを尊重しましょう。
Cat's Meow Booksは、東京・三軒茶屋にある個性的な猫本専門店だ。
2017年8月8日の開店以来、安村正也さんが掲げてきた「猫が本屋を助け、本屋が猫を助ける」という考え方は、書店の運営そのものに組み込まれている。
特に注目すべき要点は次の4つだ。
- 元保護猫が店員として過ごす独自の店舗環境
- 売上の10%を保護猫活動団体に寄付する仕組み
- 約3,500冊の新刊・古書を扱う専門的な選書
- 実店舗、オンライン販売、イベント、出版活動を組み合わせた経営
2026年は、猫本のサブスクリプション構想など、新しい取り組みにも関心が集まっている。
猫好きにとっては本との新しい出会いがあり、本好きにとっては猫をきっかけに未知の作品を発見できる場所。そして保護猫支援に関心がある人にとっては、日常の買い物を通じて活動に参加できる場所でもある。
Cat's Meow Booksの本当の魅力は、猫を集客のためだけに利用するのではなく、猫と人、本屋と保護活動が互いに支え合う仕組みを実店舗として成立させていることにある。
三軒茶屋を訪れる機会があれば、猫店員たちの穏やかな時間を尊重しながら、自分だけの一冊を探してみてはいかがだろうか。
主な取材・資料:FNNプライムオンライン(2025年12月)、freee公式note(2026年3月)、ZEN PLACE(2026年5月)、common(2026年7月)、Cat's Meow Books公式オンラインショップ、集英社・ホーム社の書誌情報。