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外国人に生活保護を出す国はどこ?日本・海外4か国の制度と2026年最新事情を解説

佐伯 真澄 佐伯 真澄 • 更新: • 公開: • 読了約 19 分
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2026年現在、外国人に生活保護や生活困窮者向けの公的給付を行っている国は、日本だけではありません。ドイツ、英国、オーストラリア、カナダなどでも、在留資格や居住期間、難民としての認定状況、収入などの条件を満たせば、外国人が公的な生活支援を受けられる制度があります。ただし、外国人であれば誰でも無条件に受給できるわけではなく、制度の仕組みは国によって大きく異なります。

日本では、外国人に対する生活保護の取り扱いがニュースやSNSでたびたび議論になり、「外国人にも日本人と同じ権利があるのか」「海外では外国人にどこまで給付しているのか」といった疑問が生まれています。2026年最新の公的資料、最高裁判所の判決、各国政府の制度説明をもとに、外国人に生活保護を出す国の実態、制度の違い、炎上につながりやすい誤解まで詳しく解説します。

【結論】外国人に生活保護を出す国はあるが、誰でも対象ではない

外国人に生活保護を出す国

外国人に公的な生活支援を行っている国は、日本、ドイツ、英国、オーストラリア、カナダなどです。ただし、ここでいう「生活保護」は、各国で名称も給付内容も異なります。日本の生活保護と完全に同一の制度を比較するのではなく、最低生活を支える所得給付や、難民・庇護申請者に対する生活支援などを分けて考える必要があります。

例えば、カナダでは永住者が市民と同様に多くの社会給付を受けられる一方、英国では一時的な在留資格を持つ人の多くに公的給付を制限する条件が付されます。オーストラリアでは、新たに居住を始めた人に一定期間の待機が設けられる給付があります。ドイツでは、一般の社会扶助と庇護申請者向けの給付制度が分かれています。

つまり、「外国人に生活保護を出す国か、出さない国か」という二択だけでは実態を説明できません。比較する際には、少なくとも次の4点を確認する必要があります。

  • 永住者、就労者、留学生、難民、庇護申請者のうち誰が対象なのか。
  • 入国直後から受給できるのか、一定の居住期間が必要なのか。
  • 収入や資産、就労状況などの審査があるのか。
  • 受給が法律上の権利として保障されているのか、行政上の措置として行われるのか。

この4点を押さえると、外国人への生活保護をめぐるニュースやネット上の議論を、制度の実態に即して理解しやすくなります。

【日本の制度】外国人は生活保護を受けられるのか?法律と行政措置の違い

生活保護法の対象と、実際に行われている保護は別

日本の生活保護制度では、生活保護法第1条・第2条にいう「国民」は日本国民を意味すると解釈されています。外国人は、生活保護法に基づく法律上の受給権を持ちません。

一方、厚生省が1954年5月8日に発出した通知「生活に困窮する外国人に対する生活保護の措置について」に基づき、一定の外国人に対しては、日本国民に対する生活保護の決定・実施に準じた行政措置が行われてきました。したがって、「外国人は生活保護を一切受けられない」という説明も、実際の制度運用を正確に表していません。

厚生労働省の外国人の取り扱いに関する資料では、主な対象として、永住者、定住者、永住者の配偶者等、日本人の配偶者等、特別永住者、認定難民などが示されています。これらの在留資格を持つ人であっても、自動的に給付が決まるわけではなく、生活困窮の状況などを踏まえた判断が必要です。また、その他の在留資格についても、個別の条件によって対象となる場合があります。

2014年の最高裁判決で何が決まったのか

この問題を理解するうえで欠かせないのが、2014年7月18日の最高裁判所第二小法廷判決です。争点となったのは、永住者の在留資格を持つ外国人が、生活保護法に基づく受給権を持つかどうかでした。

最高裁は、生活保護法上の「国民」に外国人は含まれず、行政通知に基づいて実際に保護が行われていることを理由に、外国人が同法上の受給権を取得するわけではないと判断しました。

この判決によって、外国人に対する行政措置そのものが一律に廃止されたわけではありません。重要なのは、法律上の受給権と、行政措置によって事実上提供される保護とを区別することです。両者を混同すると、「外国人にも日本人と同じ法的権利がある」という説明も、「外国人には実際の給付が一切ない」という説明も、正確さを欠くことになります。

【2026年最新データ】外国籍世帯の生活保護受給者数をどう読むか

外国人への生活保護をめぐる議論では、受給者数や割合が注目されます。しかし、統計の対象を確認せずに数字だけを比較すると、実態を誤って理解するおそれがあります。

厚生労働省が2026年3月4日に公表した2024年度の確定値によると、生活保護の被保護実人員は月平均200万8,061人でした。同省の資料では、世帯主が日本国籍を持たない世帯に属する被保護人員数は、2024年度の月平均で6万4,993人とされています。

ただし、この6万4,993人は「生活保護を受けている外国人本人の人数」と完全に一致する数字ではありません。外国籍の世帯主と暮らす日本人の配偶者や子どもが含まれる場合がある一方、日本人が世帯主となっている世帯で生活保護を受ける外国人は、この集計では把握できないためです。

このため、外国籍世帯の被保護人員数を、そのまま外国人受給者数として紹介したり、外国人全体の受給率と断定したりするのは適切ではありません。数字を比較する場合は、対象者の定義、集計期間、分母となる人口をそろえることが大切です。

また、厚生労働省が2026年9月2日に公表した2026年6月分の概数では、生活保護の被保護実人員数は196万9,502人でした。こちらは外国人だけではなく、生活保護を受ける人全体の数字です。外国人に関する年度別の数値と、全体の最新月次統計を混同しないよう注意が必要です。

【海外比較】ドイツ・英国・オーストラリア・カナダの制度と条件

海外の制度を比較すると、外国人への給付を認める国であっても、在留資格や居住期間による制限が設けられていることが分かります。以下は各国政府の法令・制度説明をもとに整理した概要です。実際の受給資格は、個人の在留状況や申請する給付の種類によって異なります。

国 外国人への主な取り扱い 主な条件・注意点
日本 一定の外国人に生活保護に準じた行政措置 永住者、定住者、日本人の配偶者等、特別永住者、認定難民などが主な対象。法律上の受給権とは区別される。
ドイツ 一般の社会扶助と庇護申請者向けの給付制度を区別 在留資格、滞在期間、就労状況などによる制限がある。庇護申請者は原則として別制度で扱われる。
英国 条件を満たす外国人は公的給付を利用できる 一時的な在留資格の多くにNRPF(公的資金へのアクセス制限)が付される。永住資格や難民認定などによって扱いが異なる。
オーストラリア 在留資格や給付の種類に応じて利用できる制度が異なる 多くの給付に新規居住者の待機期間があり、給付やビザの時期によって条件が変わる。
カナダ 永住者は市民と同様に多くの社会給付を利用できる 州・準州の制度や個別の受給条件による違いがある。政府支援による難民には別途、生活立ち上げや所得支援の制度がある。
ドイツ:庇護申請者向けの給付と一般の社会扶助を区別

ドイツでは、社会法典第12編第23条などに外国人の社会扶助に関する規定があります。一方、庇護申請者給付法(Asylbewerberleistungsgesetz)の対象者は、原則として一般の社会扶助ではなく、同法に基づく給付制度で扱われます。

つまり、外国人であることだけを理由にすべての支援から排除する仕組みではありませんが、すべての外国人に一般市民と同じ給付を無条件で提供する仕組みでもありません。滞在の法的根拠や就労状況、滞在期間などによって適用される制度が変わります。

英国:NRPFによる公的給付の制限

英国では、NRPF(No Recourse to Public Funds)と呼ばれる条件が、一定の在留資格を持つ人に付されます。この条件がある場合、ユニバーサル・クレジットなど、対象となる多くの公的給付を利用できません。

英国議会が2026年8月11日に公表した政府回答でも、外国人が納税者負担の給付を受けるには、適格な在留資格に加え、実際に英国を生活の拠点としているかなどの要件を満たす必要があると説明されています。難民認定などの保護対象者は、一般的な一時滞在者とは異なる扱いを受ける場合があります。

オーストラリア:新規居住者の待機期間

オーストラリアでは、Services Australiaが新規居住者の待機期間(Newly Arrived Resident's Waiting Period)について案内しています。多くの給付では、最長4年の待機期間が適用される場合があります。ただし、すべての給付に一律で4年間の制限があるわけではなく、給付の種類、ビザの付与時期、例外規定などによって異なります。

この制度は、外国人が公的支援を一切利用できないという意味ではありません。どの給付を申請するのか、どの在留資格で居住しているのかを個別に確認する必要があります。

カナダ:永住者と難民への支援

カナダ移民・難民・市民権省(IRCC)の説明によると、永住者は医療保障を含む、市民が受けられる多くの社会給付を利用できます。ただし、具体的な制度や資格条件は州・準州によって異なります。

また、政府支援によって再定住する対象難民には、Resettlement Assistance Program(RAP)による支援があります。基本的な生活費を自力で賄えない対象者には、世帯の立ち上げに必要な一時金や月々の所得支援が提供される場合があり、支援期間は原則として到着後最長1年、または自立できるまでのいずれか早い時点までです。

このように、カナダでは永住者向けの社会給付と、再定住する難民への特別な支援を区別して理解する必要があります。

【炎上・ネットの反応】外国人の生活保護をめぐる噂の真相

外国人への生活保護がニュースやSNSで話題になると、税負担の公平性や在留管理を重視する意見と、長年日本で暮らしている人や難民、子どもなどの生活保障を重視する意見が対立しやすくなります。議論を整理するには、感情的な賛否と制度上の事実を分けて考えることが欠かせない。

誤解1:外国人なら誰でも生活保護を受けられる

これは正確ではありません。日本では、一定の在留資格などを持つ外国人に生活保護に準じた行政措置が行われていますが、外国籍であれば自動的に対象になるわけではありません。生活困窮の状況などを踏まえた審査があり、在留資格によっても取り扱いが異なります。

誤解2:日本以外の国では外国人への給付が全面的に禁止されている

これも事実とは異なります。ドイツでは庇護申請者向けの給付制度があり、カナダでは永住者向けの社会給付や、対象難民への所得支援があります。英国やオーストラリアでも、条件を満たした外国人が一定の給付を利用できます。ただし、在留資格や待機期間などの制限があるため、「外国人なら誰でも受給できる」という理解は誤りです。

誤解3:外国籍世帯の受給者数は、そのまま外国人受給者数を示している

厚生労働省が公表する「世帯主が日本国籍を有さない世帯に属する被保護人員数」には、日本人の配偶者や子どもが含まれる場合があります。一方、日本人が世帯主の世帯に属する外国人は、この数字では把握できません。統計の名称や集計方法を確認せずに「外国人の受給者数」と断定すると、実態と異なる説明につながります。

こうした誤解が重なると、制度の一部だけを切り取った情報が拡散し、議論が炎上しやすくなります。ネット上の個別投稿やコメントは、制度上の事実や社会全体の意見分布をそのまま示すものではありません。受給資格、対象者数、給付条件という具体的な論点に分けて検討が必要です。

【経緯解説】なぜ各国は外国人への生活支援に条件を設けるのか

外国人への生活支援をめぐる制度設計では、生活困窮者を保護する必要性と、公的財源を公平に配分する必要性という、二つの課題が存在します。どちらを重視するかだけでなく、どのような法的地位の人に、どの段階から、どの給付を認めるかという制度の組み立て方が各国の違いを生みます。

日本では、生活保護法上の対象を日本国民とする法解釈を維持しつつ、1954年の行政通知に基づいて一定の外国人に生活保護に準じた措置を行う仕組みが続いています。2014年の最高裁判決は、この行政上の取り扱いと、法律上の受給権を明確に区別しました。

英国では、在留資格に公的給付へのアクセス制限を付ける仕組みが採用されています。オーストラリアでは、給付によって待機期間が設けられています。ドイツでは、一般の社会扶助と庇護申請者向けの制度が分けられています。カナダでは、永住者への社会給付と、再定住する難民への支援がそれぞれ制度化されています。

こうした違いの背景には、移住者の生活基盤を支えること、在留資格に応じた制度を運用すること、税や社会保険料を通じた負担と給付の関係を整えることなどがあります。単に「外国人に優しい国」「厳しい国」と分類するだけでは、制度の目的や対象者の違いを見落としてしまいます。

【プロの結論】外国人への生活保護を比較するときの判断基準

外国人に生活保護を出す国を調べる際、最も大切なのは、受給できるかどうかだけで判断しないことです。制度を正しく比較するには、次の基準を押さえる必要があります。

  • 法的な位置づけ:法律上の受給権なのか、行政措置なのか、難民などに対する特別な支援なのか。
  • 対象者の範囲:永住者、就労者、留学生、庇護申請者、認定難民など、誰が制度の対象となるのか。
  • 受給までの条件:収入・資産の審査、居住期間、就労状況、在留資格の条件などが設けられているか。
  • 統計の定義:外国人本人の人数なのか、外国籍世帯に属する全員の人数なのか、対象期間はいつなのか。
  • 支援の内容:現金給付、住居支援、医療、難民向けの生活立ち上げ支援など、何を提供する制度なのか。

特に日本の議論では、「外国人への生活保護」という言葉だけで、法律上の権利、実際の行政措置、外国人を含む世帯の統計が一緒に語られがちです。これらを切り分けるだけでも、ニュースの内容をより正確に理解できます。

また、外国人への給付をめぐる政策評価では、対象者への支援だけでなく、資格審査の透明性、適切な支給管理、困窮者の自立支援なども併せて検討する必要があります。制度の公平性と人道上の配慮を、実際の法令やデータに基づいて議論することが、建設的な政策論争につながります。

外国人に生活保護を出す国に関するよくある質問(FAQ)

Q1:外国人に生活保護を出している国はどこですか?

A1:日本、ドイツ、英国、オーストラリア、カナダなどでは、一定の条件を満たす外国人が公的な生活支援を受けられます。ただし、対象となる在留資格、居住期間、給付内容は国によって異なります。

Q2:日本では外国人も生活保護を受けられますか?

A2:一定の外国人に対して、生活保護法に準じた行政措置が行われています。ただし、外国人は生活保護法上の受給権を持たず、すべての外国人が対象となるわけではありません。

Q3:外国籍世帯の生活保護受給者数は、外国人の受給者数と同じですか?

A3:同じではありません。外国籍世帯には日本人の配偶者や子どもが含まれる場合がある一方、日本人が世帯主の世帯にいる外国人は、その集計では把握できません。統計を読む際は、対象者の定義を確認する必要があります。

Q4:海外では外国人が入国直後から生活保護を受けられますか?

A4:一律ではありません。英国では公的給付へのアクセスが制限される在留資格があり、オーストラリアでは多くの給付に新規居住者の待機期間が設けられています。一方、対象難民向けの特別な支援制度を持つ国もあります。

Q5:外国人への生活保護をめぐる炎上や噂は、何を確認すればよいですか?

A5:最初に、制度の根拠となる法律や政府通知、対象となる在留資格、統計の集計方法を確認してください。SNSの投稿や見出しだけで判断せず、誰が、どの制度で、どの条件のもとに支援を受けているのかを分けて考えることが大切です。

外国人に生活保護や生活困窮者向けの支援を提供する国は、日本以外にもあります。しかし、各国の制度は一様ではなく、在留資格、居住期間、難民としての認定、所得や資産などによって受給条件が異なります。

日本では、外国人は生活保護法上の受給権を持たない一方、一定の在留資格を持つ人に対して行政措置による保護が行われています。2026年に確認できる厚生労働省の資料でも、外国籍世帯に属する被保護人員数と外国人本人の受給者数は、同じものとして扱えないことが分かります。

外国人への生活保護をめぐるニュースやネットの反応を理解するうえでは、「給付があるか、ないか」という単純な比較ではなく、誰が対象なのか、どのような条件があるのか、数字が何を表しているのかを確認が必要です。制度の詳細と客観的なデータに基づいて考えることが、2026年以降の社会保障と外国人政策をめぐる議論を正確に捉えるための出発点となります。

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コンテンツディレクター 佐伯 真澄
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芸能ニュースの編集に12年。所属事務所の公式リリース、番組公式サイト、配信サービスの告知を一次情報として照合し、出典の取れない話は掲載しません。

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