2026年10月25日、ウズベキスタンのタシケントで行われた第29回ITTF-ATTUアジア卓球選手権大会の男子シングルス決勝で、張本智和が中国の李天陽をゲームカウント3―2で破り、2大会連続の優勝を果たした。第1ゲームを1―11、第2ゲームを9―11で落とす苦しい展開から、張本は第3ゲーム以降を11―7、11―8、11―7で連取。0―2からの逆転劇でアジアの頂点を守った。
この優勝は、単なるタイトル防衛ではない。日本卓球協会の大会結果やテレビ東京「テレ東卓球NEWS」の報道によると、日本男子がアジア選手権の男子シングルスで連覇するのは、1972年と1974年に優勝した長谷川信彦以来52年ぶり。19歳のカットマン、李天陽が仕掛けた回転の変化と攻撃的な守備に苦しみながら、張本が試合中に何を修正したのか。決勝のスコア、勝負を分けた戦術、優勝までの道のり、映像の視聴方法を整理する。
【卓球男子決勝2026】張本智和が李天陽に3―2で逆転勝利

男子シングルス決勝は10月25日、アジア選手権の最終日に行われた。対戦したのは、前回2024年大会の優勝者である日本の張本智和と、中国の新鋭カットマン、李天陽。両者はこの決勝が初対戦だったとテレビ東京の大会報道は伝えている。
張本は当時の世界ランキング3位、李は同66位として報じられた。しかし、ランキングの差がそのまま試合の優劣に表れることはなかった。李は守備型の選手でありながら、カットで相手の攻撃を受け止めるだけではなく、甘くなったボールには強打を繰り出す。回転の変化を読み違えれば、攻撃力の高い選手でも連続失点に陥る難しいタイプだ。
試合序盤は、まさにその特徴が表れた。張本は李のカットの変化を十分につかめず、ドライブのミスを重ねた。第1ゲームでは1点を取ったあと、11連続失点を喫して1―11で落とす。続く第2ゲームも9―11で失い、優勝まであと1ゲームと迫られた。
それでも張本は、ここから3ゲームを連取する。第3ゲームで11―7と反撃の足がかりをつかみ、第4ゲームを11―8で制してゲームカウントを2―2に戻した。最終第5ゲームでは一時7―2とリードし、追い上げを受けながらも11―7で逃げ切った。
最終結果は、張本智和 3―2 李天陽。試合時間の長さや単純な得点差だけでは測れない、対応力と修正力が問われた決勝だった。
【ゲーム別スコア】第1・第2ゲームを落とした張本はどう立て直したのか
この決勝を理解するうえで重要なのは、5ゲームの得点を順番に追うことだ。序盤は李が主導権を握った一方、第3ゲーム以降は張本がラリーの組み立てを変え、試合の流れを引き寄せている。
第1ゲーム:1―11。李のカットに苦しんだ立ち上がり張本は序盤から積極的に攻撃を仕掛けたが、李のカットが生み出す回転の変化に対応しきれなかった。回転を正しく見極められなければ、ドライブはネットにかかったり、オーバーミスになったりする。李はその隙を逃さず、強打も交えて連続得点を重ねた。
1点を先取した張本が、その後11連続失点。1―11という大差は、李の守備が単に粘り強いだけではなく、相手に攻撃の判断を誤らせる力を持っていたことを示している。
第2ゲーム:9―11。一度は逆転するも、終盤に押し戻される第2ゲームでも、李の巻き込みサーブからフォアドライブを浴び、張本は1―5とリードを許した。それでも前後左右に相手を動かす攻めで8―6と逆転し、立て直しの兆しを見せる。
しかし、終盤には再び李のカットと強打に対応しきれず、9―11でゲームを落とした。張本はあと1ゲームを失えば敗退する状況に追い込まれ、試合の流れを変える必要に迫られた。
第3ゲーム:11―7。ドライブの精度を上げて反撃第3ゲームからは張本の攻撃が徐々に機能し始める。カットの球質に合わせて打球を見極め、力任せに打ち急ぐのではなく、ドライブで確実に返球を打ち抜く展開を増やした。結果は11―7。2ゲームを先取した李に対し、張本が初めてゲームを取り返した。
第4ゲーム:11―8。攻撃の圧力で李を台から下げる第4ゲームでは、張本がドライブで圧力をかけ、李を台から離れた位置に下げる展開が目立った。前後の揺さぶりを加えることで、李が得意とするカットだけでラリーを支配しにくくなり、張本は11―8で連取。ゲームカウントを2―2に戻した。
第5ゲーム:11―7。7―7から勝負を決める最終ゲームでは張本が7―2までリードを広げたものの、李の変化をつけた攻守に対応できず、5連続失点で7―7に追いつかれた。ここで再び流れが傾いても不思議ではなかった。
しかし、張本は焦って攻撃を急ぐことなく、ブロックや前後の揺さぶりでポイントを重ねた。最後は力強いフォアドライブで勝負を決め、11―7。0―2から3ゲームを連取し、連覇を手にした。
ゲーム別スコアを重要なのは、最初から李を圧倒していたのではなく、試合中に攻略の精度を高めたことだ。
【逆転勝利の理由】李天陽のカットマン戦術をどう攻略したのか
張本智和の逆転勝利を分析する際、注目したいのは「カットマン対策」を単に強く打つことと同一視しない点だ。カットマンは、相手の攻撃を下回転主体の打球で返し、ミスを誘いながら長いラリーに持ち込む。攻撃的なカットマンは、さらに相手の打球が甘くなった瞬間に自ら強打し、守備から攻撃へ転じる。
李天陽の厄介さは、カットで相手のリズムを崩しながら、攻撃の機会を自分で作れることにあった。張本が序盤に苦戦したのも、単純に守備を崩せなかったからではない。球の回転や落下点を十分につかめず、どのタイミングで、どの程度の力を加えて攻めるべきかという判断が難しかったからだ。
勝負を分けたポイント1:回転を見極めてからドライブを打つカットに対するドライブでは、相手の回転に応じてラケット角度やスイングを調整する必要がある。回転の強弱を読み違えたまま強打すれば、ネットミスやオーバーミスが増える。第1ゲームの大量失点は、張本がこの判断に苦しんだことを象徴していた。
第3ゲーム以降は、李の打球の特徴を試合の中でつかみ、ドライブの成功率を上げていった。相手の球質を理解し、攻撃の確率を高めることが逆転への第一歩になった。
勝負を分けたポイント2:前後左右の揺さぶりで守備の位置を変えるカットマンに対して同じ場所へ強打を続けると、相手が打球を予測しやすくなり、守備のリズムを保たれやすい。張本は前後左右に打ち分け、李が守備位置を調整しなければならない展開を作った。
とりわけ、相手を台から下げるドライブと、前後に動かす配球の組み合わせは、李がカットだけで主導権を握ることを難しくした。単発の強打で決めるのではなく、次の攻撃が生まれるようにラリーを組み立てたことが大きい。
勝負を分けたポイント3:ミドルを狙い、相手の攻守の切り替えを難しくする最終ゲームでは、張本がミドルを攻めながらフォアで押し込む展開を作り、7―2までリードした。ミドルへの攻撃は、相手がフォアとバックのどちらで処理するかを瞬時に判断しなければならないため、体勢やラケットの準備を崩す効果が期待できる。
もちろん、7―2から7―7に追いつかれたように、戦術を変えれば直ちに勝負が決まるわけではない。それでも、同点に追いつかれたあとに攻撃を急がず、ブロックとコースの変化を使って再びポイントを取ったことは、最終局面での判断力を示している。
テレビ東京「テレ東卓球NEWS」が10月26日に紹介した中国メディアの分析でも、張本が試合中にカットの回転や落下点への対応を進め、攻撃の成功率を高めていった点が勝因として取り上げられた。今回の決勝は、強打の威力だけでなく、相手の特徴を読み、戦術を修正する能力が勝敗を左右した一戦だった。
【人物・大会の関係整理】張本智和、李天陽、長谷川信彦の記録を比較
今回の決勝は、張本と李の個人対決であると同時に、アジア選手権の歴史を振り返る機会にもなった。日本卓球協会の大会結果、テレビ東京の大会報道、ITTFの大会総括を踏まえ、主要な人物と大会の関係を整理する。
| 人物・大会 | 主な記録・特徴 | 今回の決勝との関係 |
|---|---|---|
| 張本智和 | 日本代表。2024年大会の男子シングルス優勝者 | 2026年決勝で李天陽を3―2で破り、2大会連続優勝を達成 |
| 李天陽 | 中国の19歳のカットマン。攻撃も組み合わせるプレースタイル | 第1・第2ゲームを連取し、張本を追い込んだ決勝の対戦相手 |
| 長谷川信彦 | 1972年北京大会、1974年横浜大会の男子シングルス優勝者 | 日本男子のアジア選手権連覇を語る際の歴史的な比較対象 |
| 2024年アスタナ大会 | カザフスタンで開催。張本が男子シングルスを制覇 | 2026年の連覇につながる前回の個人戦開催大会 |
| 2025年大会 | インドで開催された団体戦中心の大会 | 2024年と2026年の間に男子シングルスの優勝者を決める個人戦は行われていない |
| 2026年タシケント大会 | 第29回ITTF-ATTUアジア卓球選手権大会。開催期間は10月19~25日 | 張本が李を逆転で破り、男子シングルスのタイトルを防衛 |
この表で押さえておきたいのは、「日本男子52年ぶりの連覇」が、52年間毎年開催された大会で優勝できなかったという意味ではないことだ。アジア選手権の男子シングルスで、1972年と1974年に長谷川信彦が連覇して以来、2024年と2026年の2大会連続で日本選手が優勝したことを指している。
2024年大会では張本が中国の林詩棟を決勝で破り、1974年以来50年ぶりとなる日本勢の男子シングルス優勝を果たした。そして2026年、同種目で再び頂点に立ったことで、日本男子として長谷川以来の連覇を達成した。
2025年は団体戦中心の大会だったため、2024年と2026年は男子シングルスが実施された大会として連続している。大会の開催年だけを並べて「2025年に優勝を逃した」と解釈するのは誤りだ。
【連覇の経緯】張本智和は決勝までに中国勢3人を撃破
2026年の優勝は、決勝だけを切り取って評価するよりも、そこに至るまでの戦いを合わせて見ると意味が深まる。日本卓球協会が公表した大会結果によると、張本は決勝までに複数の難敵を退け、準々決勝では逆転勝利も経験していた。
張本の主な勝ち上がりは次の通りだ。
- 2回戦:香港の関文皓に3―0。ゲーム別スコアは11―8、11―6、12―10。
- 3回戦:韓国の金民赫に3―1。第1ゲームを落としたあと、3ゲームを連取した。
- 4回戦:中国の黄友政に3―0。11―7、11―8、12―10で勝利。
- 準々決勝:台湾の馮翊新に3―2。最初の2ゲームを失ったあと、11―2、11―5、11―5と3ゲームを連取した。
- 準決勝:中国の温瑞博に3―0。11―5、11―7、11―5でストレート勝ち。
- 決勝:中国の李天陽に3―2。0―2から逆転して優勝。
とくに注目したいのが、準々決勝と決勝で2ゲームを先取されながら勝ち切った点だ。張本は決勝以前にも、馮翊新に対して2ゲームを失う苦しい展開を経験していた。試合中に流れが悪くなった際、相手の攻撃に対応しながら戦術を立て直すことが、今大会を勝ち抜くうえで重要だったと考えられる。
また、4回戦の黄友政戦、準決勝の温瑞博戦、決勝の李天陽戦では中国勢を3人続けて破った。相手のタイプが異なる中で勝ち上がったことは、張本の攻撃力だけでなく、試合ごとに求められる対応力を示す材料になる。
「52年ぶりの連覇」は日本男子に何をもたらすのかアジア選手権の男子シングルスは、中国をはじめとする強豪国の選手が集まる舞台だ。日本男子が同種目で連覇を達成することは、単に一度優勝する以上に難しい。前回王者として研究される立場になり、対戦相手もその特徴を把握したうえで準備してくるからだ。
張本は2024年に初めて男子シングルスのアジア王者となり、2026年にはその座を守った。長谷川信彦以来52年ぶりの連覇という記録は、過去の実績との比較だけでなく、日本男子がアジアの個人タイトルを継続して獲得できるかという観点からも意義がある。
一方、団体戦と個人戦は別の競技課題を持つ。今大会では日本男子団体が3位となった一方、張本は男子シングルスで金メダルを獲得した。個人戦での優勝は大きな成果だが、それだけで日本男子全体の国際競争力が完全に回復したと判断するのは早い。個人の成功をチーム全体の強化につなげられるかが、次の焦点になる。
【ハイライト動画・放送・ライブ配信】決勝映像を確認する方法
張本智和と李天陽の決勝を映像で振り返りたい場合、まず確認したいのは大会を取り上げた公式・主要メディアの掲載情報だ。テレビ東京「テレ東卓球NEWS」は2026年10月25日付で男子シングルス決勝のライブ配信案内を掲載し、U-NEXTを通じた配信を紹介している。
試合映像やハイライトを探す際は、次の順序で確認すると見つけやすい。
- テレ東卓球NEWS:決勝の試合結果、ゲーム別スコア、試合展開の解説、ライブ配信に関する案内を確認する。
- テレ東卓球チャンネル:大会の公式ハイライトや試合映像が公開されているかを確認する。動画のタイトルや掲載日が、2026年アジア選手権の男子シングルス決勝に一致しているかを見たい。
- U-NEXT:テレビ東京が案内した配信先として、対象試合の見逃し配信やアーカイブの提供状況を確認する。
- 日本卓球協会・ITTFの大会情報:公式の試合結果や大会記録を照合し、動画の対戦カードとスコアが一致するかを確認する。
なお、10月25日にライブ配信が案内されたことと、10月29日現在も同じ映像を無料で視聴できることは別の話だ。見逃し配信の有無、公開期間、視聴条件はサービスや掲載ページによって異なるため、実際の視聴前に最新の案内を確認したい。
ハイライトを見る際は、最後の決定打だけでなく、第1ゲームの連続失点、第3ゲームでの立て直し、第5ゲームの7―7からの攻防に注目すると、張本がどのように試合を修正したのかを理解しやすい。今回の決勝は、逆転の瞬間だけでなく、そこに至るまでの判断の変化に見どころがある。
【卓球男子決勝】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:2026年の卓球男子決勝は誰が勝ちましたか?
A1:2026年10月25日に行われたアジア卓球選手権の男子シングルス決勝では、日本の張本智和が中国の李天陽に3―2で勝利しました。ゲーム別スコアは1―11、9―11、11―7、11―8、11―7です。
Q2:張本智和が逆転勝利できた理由は何ですか?
A2:序盤は李天陽のカットの回転変化に苦しみましたが、第3ゲーム以降はドライブの精度を高め、前後左右の揺さぶりやミドルへの攻撃を組み合わせました。相手の打球の特徴を試合中につかみ、攻撃の成功率を上げたことが逆転の大きな要因です。
Q3:日本男子52年ぶりの連覇とはどういう意味ですか?
A3:アジア選手権の男子シングルスで、日本選手が2大会連続で優勝したことを指します。1972年と1974年に長谷川信彦が優勝して以来、2024年と2026年に張本智和が連覇を達成しました。2025年大会は団体戦中心だったため、男子シングルスの個人戦開催大会として連続しています。
2026年アジア卓球選手権の男子シングルス決勝は、張本智和が李天陽に0―2から逆転し、3―2で勝利した一戦となった。ゲーム別スコアは1―11、9―11、11―7、11―8、11―7。序盤の苦戦から攻撃の精度を高め、前後左右の揺さぶりやミドル攻めを織り交ぜて勝ち切った。
この優勝によって、張本は2024年大会に続く連覇を達成。日本男子のアジア選手権男子シングルス連覇は、長谷川信彦以来52年ぶりとなった。個人タイトルの防衛に加え、国際大会で相手の戦術を読み、試合中に対応を変える能力を示したことも、今回の成果として評価できる。
一方で、決勝の第1・第2ゲームで見られたように、初対戦のカットマンが仕掛ける回転の変化は、トップ選手にとっても大きな難題だ。今後の大会では、対戦相手が張本のプレースタイルを研究してくることも予想される。連覇を一度の快挙で終わらせず、安定した結果へつなげるには、技術の幅と試合中の修正力をさらに磨く必要がある。
今回の卓球男子決勝を振り返るうえで大切なのは、3―2という最終結果だけでなく、張本がどのように負けかけた試合を立て直したかを理解することだ。ゲーム別スコアと戦術の変化を合わせて見ることで、52年ぶりの日本男子連覇が持つ意味と、張本智和の強さをより具体的に捉えられる。