2026年のWBAバンタム級は、米国のジェシー・“バム”・ロドリゲスがスーパー王者、日本の増田陸がWBA世界王者として名を連ねる、注目度の高い階級です。2026年9月版のランキングでは、元世界王者の堤聖也が1位、那須川天心が3位にランクイン。日本人選手が世界王座を争う構図が鮮明になっています。
一方、WBAバンタム級の順位表を読む際には、スーパー王者と正規王者の違い、休養王者からの王座交代、他団体のランキングとの違いを理解しておく必要があります。2026年7月20日に増田陸が比嘉大吾を破って世界王座を獲得した経緯や、11月29日に予定される増田対堤の初防衛戦も含め、王者の現状から日本人選手の勢力図まで整理します。
【2026年9月版】WBAバンタム級ランキングと現在の王者一覧

WBAバンタム級ランキングを確認するときは、チャンピオン欄とランキング1位以下を分けて見ることが大切です。2026年9月版として公開されている順位表では、ジェシー・ロドリゲスがスーパー王者、増田陸がWBA世界王者として掲載されています。
WBA公式サイトの選手プロフィール・ランキング履歴でも、ロドリゲスのスーパー王者としての位置づけ、増田の世界王者としての登録、堤の9月時点のランキング1位を確認できます。以下は、2026年9月版の順位表に基づく整理です。
WBAバンタム級の王者・上位ランキング- スーパー王者:ジェシー・ロドリゲス(米国)
- 世界王者:増田陸(日本)
- 1位:堤聖也(日本)
- 2位:ホセ・アンドレス・テラン
- 3位:那須川天心(日本)
- 4位:ノニト・ドネア
- 5位:比嘉大吾(日本)
- 6位:アンドレイ・ボニージャ
- 7位:ジョルダン・オロスコ・エルナンデス
- 8位:武居由樹(日本)
- 9位:アントニオ・バルガス
- 10位:井岡一翔(日本)
- 11位:アンドリュー・ケイン
- 12位:秋次克真(日本)
- 13位:エマヌエル・モレノ
- 14位:ジュニオール・アンドレス・ナルバエス
- 15位:ジェイソン・モロニー
この順位表で目を引くのは、日本人選手が上位から中位まで幅広く名を連ねていることです。堤は1位、那須川は3位。比嘉、武居、井岡もトップ10に入っています。さらに秋次も12位に位置しており、世界王座を狙える日本勢の層の厚さがうかがえます。
ただし、ランキングは月次の更新や試合結果、王座の認定・返上によって変動します。9月版の順位と10月時点の王者情報、そして今後の試合予定は、基準日を区別して読むことが重要です。
【王者交代の経緯】堤聖也からロドリゲス、増田陸へ
2026年のWBAバンタム級を理解するうえで欠かせないのが、堤聖也の休養王者扱いから増田陸の王座獲得に至る流れです。短期間に王者の肩書きが変化した背景には、負傷による休養措置と、空位となった王座を決める試合がありました。
2024年10月:堤聖也が世界王座を獲得堤聖也は2024年10月、井上拓真を破ってWBA世界バンタム級王座を獲得しました。その後も防衛を重ね、日本を代表するバンタム級王者の一人として存在感を示しました。
しかし、負傷などの事情により、堤は2025年にも休養王者扱いとなっています。2025年12月には王座に復帰したものの、2026年5月31日、WBAは医療上の事情を理由に再び堤を休養王者とし、アントニオ・バルガスを世界王者として認定しました。この判断はWBAの公式発表で説明されています。
2026年6月13日:ロドリゲスがバルガスをKO2026年6月13日、米アリゾナ州グレンデールでジェシー・ロドリゲスとアントニオ・バルガスが対戦しました。ロドリゲスは6回KO勝ちを収め、WBAバンタム級の世界王座を獲得。フライ級、スーパーフライ級に続く3階級制覇を達成しました。
WBAはその後のランキング改定でロドリゲスをスーパー王者として位置づけています。ロドリゲスはスピード、正確な左ストレート、角度を変えながら攻撃する技術に優れ、複数階級で実績を築いてきた選手です。バンタム級でも、単なる知名度ではなく実力を背景に王者として評価されています。
2026年7月20日:増田陸が比嘉大吾を破って王座獲得日本では7月20日、東京・両国国技館でWBA世界バンタム級王座決定戦が行われました。増田陸は比嘉大吾に2対1の判定勝ちを収め、プロ12戦目で初の世界王座を獲得しました。日刊スポーツの試合報道によると、採点は117対111、117対111、113対115でした。
増田は左ストレートを武器とするサウスポーです。世界挑戦権を獲得した3月のノニト・ドネア戦に続き、7月の王座決定戦でも勝利を収めました。これにより、WBAのスーパー王者ロドリゲスと世界王者・増田という2つの王者区分が並ぶ状況になりました。
この一連の流れは、単純に一人の王者が敗れて別の選手に王座が移ったという話ではありません。休養王者の認定、世界王者の交代、スーパー王者への昇格、正規の世界王座決定戦が重なった結果です。肩書きの変化を理解するには、試合結果とWBAの認定手続きをセットで追う必要があります。
【スーパー王者と正規王者の違い】肩書きだけで強さは決まらない
WBAのランキングで混乱しやすいのが、「スーパー王者」と「世界王者」の違いです。一般に、スーパー王者はWBAが独自の基準や認定手続きによって位置づける上位区分で、世界王者は通常のWBA世界王座を保持する選手を指します。
スーパー王者は、複数階級での実績や王座統一などを背景に認定される場合があります。ただし、認定の経緯は選手や時期によって異なります。スーパー王者がいる階級でも、別の世界王者が存在することがあるため、王者の人数だけを見てランキングの誤りと判断するのは早計です。
| 選手・区分 | 2026年の位置づけ | ランキングを読む際のポイント |
|---|---|---|
| ジェシー・ロドリゲス | WBAスーパー王者 | 2026年6月にバルガスをKOし、同年の王者交代を象徴する存在。 |
| 増田陸 | WBA世界王者 | 2026年7月20日の王座決定戦で比嘉大吾に判定勝ち。 |
| 堤聖也 | 2026年9月版ランキング1位 | 過去に世界王座を獲得。休養王者扱いを経て、王座返り咲きを狙う立場。 |
| 那須川天心 | 2026年9月版ランキング3位 | 世界王座への挑戦を見据える上位ランカー。WBCなど他団体での順位も比較対象になる。 |
重要なのは、スーパー王者と正規の世界王者を、単純な実力順の1位と2位として扱わないことです。ランキングは挑戦者の選定やタイトルマッチの交渉に関わりますが、肩書きそのものが次の試合の勝敗を決めるわけではありません。
また、世界王者が複数いる場合は、どの王座を懸けた試合なのかを確認する必要があります。対戦カードの発表に「WBA世界バンタム級タイトルマッチ」と書かれていても、それがスーパー王座を懸けた試合なのか、通常の世界王座を懸けた試合なのかによって意味が異なります。
【日本人ボクサーの勢力図】堤聖也・那須川天心・比嘉大吾の現在地
2026年9月版のWBAランキングは、日本人選手の動向を比較するうえでも興味深い内容です。堤聖也、那須川天心、比嘉大吾、武居由樹、井岡一翔らが上位15人に入り、異なるキャリアを歩んできた選手が同じ階級で世界を目指しています。
堤聖也:ランキング1位から世界王座を再び狙う堤は、2024年にWBA世界王座を獲得した実績を持つ選手です。2026年9月版では1位にランクされ、挑戦者としても注目を集めています。過去に世界王座を保持していたことと、現在のランキングで1位に位置していることは、分けて理解する必要があります。
2026年11月29日には、増田陸とのWBA世界バンタム級タイトルマッチが予定されています。両者は2023年8月の日本バンタム級タイトルマッチでも対戦しており、その際は堤が判定勝ちしました。増田にとってはプロキャリア唯一の黒星を喫した相手との再戦であり、世界王者としての初防衛戦という意味も持ちます。
那須川天心:WBAランキング3位に浮上那須川天心は2026年9月版のWBAランキングで3位に入りました。トップ10入りを果たしただけでなく、上位3人の一角を占める順位です。キックボクシングで築いた知名度だけでなく、プロボクシングでの試合を重ね、世界ランキング上の評価を得ている点が注目されます。
ただし、3位という順位だけで、次の世界挑戦が確定したと考えることはできません。ランキングは挑戦資格や交渉の材料になりますが、対戦相手の選定、王者側の防衛計画、各団体の指名挑戦者制度なども関係します。那須川がいつ、誰と世界戦を行うかは、正式な発表を確認する必要があります。
比嘉大吾・武居由樹・井岡一翔:経験と実績を持つ競争相手比嘉大吾は2026年7月の王座決定戦で増田に敗れましたが、9月版では5位にランクされています。王座を逃した試合だけで評価がすべて決まるわけではなく、これまでの実績とランキング上の位置を踏まえ、今後の再起にも注目が集まります。
武居由樹は8位、井岡一翔は10位です。武居は世界王座経験を持ち、井岡は複数階級で実績を築いてきました。上位ランカーが多いことは日本勢にとって選択肢が豊富である一方、国内の有力選手同士が世界挑戦権を争う構図にもつながっています。
この勢力図を見る際は、ランキングの数字だけでなく、直近の試合結果、王座経験、負傷からの復帰状況、次戦の正式発表を合わせて確認するのが実用的です。
【WBAとWBCのバンタム級ランキング比較】同じ選手でも順位が違う理由
世界ランキングを調べる読者が戸惑いやすいのは、WBA、WBC、IBF、WBOで同じ選手の順位が異なることです。これは、各団体が独自のランキングと王座認定制度を持ち、試合結果や指名挑戦者の状況などを反映して順位を決めるためです。
WBAの2026年9月版では、スーパー王者がジェシー・ロドリゲス、世界王者が増田陸、1位が堤聖也、3位が那須川天心です。一方、WBCでは井上拓真が世界バンタム級王者として掲載され、2026年10月初旬のランキング一覧ではアンドリュー・ケインが1位、ジェイソン・モロニーが2位、那須川が3位となっています。
この比較から分かるのは、那須川が複数団体で上位に位置している一方、WBAでは堤が最上位の挑戦者として評価されているという違いです。ランキングの更新日が異なれば、同じ選手の順位が違って見えることもあります。9月版のWBAと10月初旬のWBCを比較する場合は、基準日の違いを念頭に置く必要があります。
ランキング比較で確認したい3つのポイント- 王者の違い:団体ごとに世界王者が異なるため、まずどの団体のタイトルなのかを確認する。
- 順位の基準日:月次ランキングの更新時期が違うと、順位を単純比較できない場合がある。
- 挑戦資格と試合予定:上位にいる選手が、必ずしも次の世界挑戦者として決定しているわけではない。
なお、WBAの1位とWBCの1位は、同じ評価基準で選ばれた世界共通の順位ではありません。団体別ランキングは、それぞれのタイトル戦線を把握するための指標です。選手の総合的な実力を比較したい場合は、ランキングに加えて対戦相手の質、試合内容、階級内の王者との実績も見る必要があります。
【体重制限118ポンドと歴代王者】WBAバンタム級の基礎知識
バンタム級は、ボクシングの体重別階級の一つです。WBAのルールでは、男子バンタム級の上限は118ポンド、キログラム換算で約53.52kgです。日本では一般に「53.5kg級」と説明されることもあります。
この階級のすぐ上にはスーパーバンタム級があり、上限は122ポンド(約55.34kg)です。約4ポンドの違いですが、体重管理や試合当日のコンディション、階級ごとの選手構成に影響します。選手が階級を変更した場合、以前の階級でのランキングや王座が、そのまま新階級に引き継がれるわけではありません。
WBAバンタム級の歴代王者と日本人選手の系譜日本人選手はWBAバンタム級の歴史にたびたび登場してきました。井上尚弥は2019年にWBAのスーパー王者となり、2023年にスーパーバンタム級へ転向するまで同階級で実績を築きました。その後は井上拓真が2023年にWBA世界王座を獲得し、2024年10月には堤聖也が王者となりました。
堤は休養王者扱いなどを経て王座の状況が変わり、2026年にはジェシー・ロドリゲスがWBAのスーパー王者、増田陸が世界王者という新たな構図になりました。日本プロボクシング協会の歴代世界王者記録にも、井上尚弥、井上拓真、堤聖也、増田陸らのWBA世界バンタム級での実績が記録されています。
歴代王者を調べる際は、正規の世界王者とスーパー王者、休養王者を区別することが大切です。同じ選手でも、王座の認定区分や在位期間が異なる場合があります。単に「WBA王者だった」という情報だけで比較すると、実際の王座変遷を正確に把握できません。
【WBAバンタム級タイトルマッチ最新情報】11月29日の増田陸対堤聖也に注目
2026年10月29日時点で、国内の大きな注目カードとなっているのが、11月29日に東京・両国国技館で予定される増田陸対堤聖也のWBA世界バンタム級タイトルマッチです。日刊スポーツなどの報道や大会発表では、増田の初防衛戦として案内されています。
この試合の見どころは、単なる王者対ランキング1位の対決にとどまりません。増田は2026年7月に世界王座を獲得したばかりで、世界王者としての実力を改めて示す必要があります。一方の堤は、世界王座を獲得した経験があり、2023年の日本タイトル戦では増田に勝利しています。
増田陸に求められるもの増田の持ち味は、サウスポーから放つ鋭い左ストレートです。比嘉大吾との王座決定戦では判定勝ちを収めましたが、世界王者として初めて迎える防衛戦では、相手の圧力や試合展開に対応しながら、安定したパフォーマンスを見せられるかが焦点になります。
堤聖也にとっての再挑戦堤にとっては、ランキング上位から再び世界王座を目指す機会です。過去に増田に勝っている実績はありますが、3年前の試合と今回では、選手の経験も立場も違います。過去の対戦結果が今回も同じ展開を生むとは限らず、両者の成長や戦術の変化が勝敗を左右します。
11月29日の試合結果は、WBA世界王座の今後だけでなく、日本人選手のランキングにも影響する可能性があります。ただし、那須川天心を含む他の上位ランカーが次に誰と対戦するかは別の問題です。正式な対戦発表と、試合後に更新されるランキングを分けて追うことが大切です。
【wba バンタム級】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:2026年現在のWBAバンタム級王者は誰ですか?
A1:WBAの王者区分では、ジェシー・ロドリゲスがスーパー王者、増田陸がWBA世界王者として掲載されています。どちらの王座についての情報かを確認すると、混乱を避けられます。
Q2:WBAバンタム級ランキング1位と3位は誰ですか?
A2:2026年9月版では、1位が堤聖也、3位が那須川天心です。2位はホセ・アンドレス・テランです。ランキングは更新されるため、確認する際には公表月もチェックしてください。
Q3:スーパー王者と正規の世界王者は何が違いますか?
A3:スーパー王者はWBAが独自の認定手続きで位置づける上位区分で、世界王者は通常のWBA世界王座の保持者です。同じ階級に両者が存在することがあり、肩書きだけで選手の実力差や次の対戦相手が決まるわけではありません。
Q4:那須川天心はWBA世界王座に挑戦できますか?
A4:那須川は2026年9月版でWBAランキング3位に位置しています。ただし、ランキング上位であることと、世界タイトルマッチが正式決定することは別です。対戦相手や試合日程については、団体やプロモーターの発表を確認する必要があります。
Q5:WBAバンタム級の体重制限は何kgですか?
A5:上限は118ポンドで、約53.52kgです。日本では約53.5kgと表記されます。スーパーバンタム級の上限は122ポンド(約55.34kg)です。
2026年のWBAバンタム級は、ジェシー・ロドリゲスがスーパー王者、増田陸が世界王者として登録され、堤聖也がランキング1位、那須川天心が3位に位置する構図です。王者交代の背景には、堤の休養王者扱い、ロドリゲスの6回KO勝利、増田の王座決定戦勝利という複数の出来事がありました。
今後の大きな焦点は、2026年11月29日に予定される増田陸対堤聖也のタイトルマッチです。増田が初防衛を果たすのか、それとも堤が世界王座に返り咲くのか。両者の過去の対戦と現在の実績を踏まえると、WBAバンタム級の勢力図を左右する一戦になりそうです。
ランキングを正しく読むためには、王者の肩書き、順位表の公表月、他団体との違い、そして正式に発表された試合予定を分けて確認することが欠かせない。数字だけを追うのではなく、王座の変遷と選手同士の関係を合わせて見ることで、世界バンタム級の動きがより明確になります。