安田記念の過去10年(2017〜2026年)を振り返ると、9番人気のモズアスコット、8番人気のダノンキングリーやシックスペンスなど、伏兵の勝利が目立つ一方、ソングラインの連覇や海外の強豪ロマンチックウォリアーの参戦など、マイルGⅠの歴史を彩る名勝負も生まれています。2026年はシックスペンスが8番人気で勝利し、2着同着という接戦も話題になりました。
この記事では、JRAの公式成績をもとに、安田記念の過去10年の結果、歴代優勝馬、人気別成績、勝ち時計、単勝配当、3連単配当を一覧で比較します。加えて、東京芝1600mのコース特性や枠順の考え方、穴馬を見極めるポイントまで、2027年以降の予想にも役立つ視点から整理します。
【2017〜2026年】安田記念の過去10年結果一覧

まずは安田記念の過去10年の結果を、年ごとに比較します。勝ち馬の単勝人気、勝ち時計、単勝配当、3連単配当を並べると、堅い決着と波乱の両方が起きていることが分かります。
以下はJRAの各年の公式成績表に基づく一覧です。配当は原則として100円あたりの払戻金を記載しています。2026年は2着同着のため、3連単の払戻金が2通りあります。
| 年 | 歴代優勝馬 | 単勝人気 | 勝ち時計 | 単勝配当 | 3連単配当 | 注目ポイント |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2026年 | シックスペンス | 8番人気 | 1分32秒1 | 2,160円 | 84,350円・65,720円 | 2着同着の激戦 |
| 2025年 | ジャンタルマンタル | 2番人気 | 1分32秒7 | 430円 | 65,970円 | 実力馬が復活勝利 |
| 2024年 | ロマンチックウォリアー | 1番人気 | 1分32秒3 | 360円 | 17,740円 | 香港の世界的強豪が勝利 |
| 2023年 | ソングライン | 4番人気 | 1分31秒4 | 740円 | 14,510円 | 史上有数の連覇劇 |
| 2022年 | ソングライン | 4番人気 | 1分32秒3 | 820円 | 64,140円 | 前年の雪辱から連覇へ |
| 2021年 | ダノンキングリー | 8番人気 | 1分31秒7 | 4,760円 | 110,420円 | GⅠ初制覇の伏兵 |
| 2020年 | グランアレグリア | 3番人気 | 1分31秒6 | 1,200円 | 11,240円 | アーモンドアイを破る |
| 2019年 | インディチャンプ | 4番人気 | 1分30秒9 | 1,920円 | 43,720円 | 二強対決を制す |
| 2018年 | モズアスコット | 9番人気 | 1分31秒3 | 1,570円 | 63,280円 | 連闘でGⅠ初制覇 |
| 2017年 | サトノアラジン | 7番人気 | 1分31秒5 | 1,240円 | 283,000円 | 大外から差し切る波乱 |
出典:JRAの2017〜2026年安田記念公式成績。2017年の3連単は28万3,000円、2021年は11万420円、2026年は2着同着による2通りの払戻金が記録されています。
過去10年で最も速い勝ち時計は2019年の1分30秒92019年のインディチャンプが記録した1分30秒9は、今回取り上げた10開催の勝ち時計で最も速いタイムです。2018年のモズアスコットは1分31秒3、2023年のソングラインは1分31秒4で勝利しています。
ただし、勝ち時計は馬場状態やレース展開によって変化します。時計が速い年の勝ち馬が、時計のかかる馬場でも同じパフォーマンスを発揮できるとは限りません。予想ではタイムだけでなく、当日の馬場、前半のペース、上がり3ハロンの内容を併せて評価する必要があります。
【人気・配当を比較】安田記念は穴馬が勝つ? 3連単の波乱を検証
安田記念の人気別成績を考えるうえで注目したいのは、過去10年の優勝馬に1〜3番人気だけでなく、7〜9番人気も含まれている点です。人気馬が勝つ年と、伏兵が一気に頂点へ駆け上がる年が交互に現れています。
勝ち馬の単勝人気を10年分集計- 1〜3番人気:2020年のグランアレグリア、2024年のロマンチックウォリアー、2025年のジャンタルマンタルの3勝。
- 4番人気:2019年のインディチャンプ、2022年・2023年のソングラインで3勝。
- 7〜9番人気:2017年のサトノアラジン、2018年のモズアスコット、2021年のダノンキングリー、2026年のシックスペンスで4勝。
これは過去10年の「勝ち馬だけ」を集計した結果です。出走馬全体の勝率や、各人気グループの回収率を示す数字ではありません。それでも、上位人気だけに絞ると、歴代の波乱を演出した勝ち馬を見落とすことになります。
3連単配当の最高額は28万3,000円過去10年の3連単配当で最高額となったのは、2017年の28万3,000円です。7番人気のサトノアラジンが8番人気のロゴタイプ、3番人気のレッドファルクスを抑え、波乱の決着となりました。
次に目立つのが2021年の11万420円です。8番人気のダノンキングリーが、断然人気のグランアレグリアを破ってGⅠ初制覇を達成しました。2026年も8番人気のシックスペンスが勝ち、3連単は組み合わせによって8万4,350円または6万5,720円となっています。
一方、2020年の3連単は1万1,240円、2023年は1万4,510円でした。上位人気馬が順当に走れば配当は落ち着きやすく、勝ち馬が人気薄でも2着・3着に人気馬が入れば、必ずしも極端な高配当になるわけではありません。
穴馬を探すなら人気よりも「勝てる条件」を見る2018年のモズアスコットは9番人気、2021年のダノンキングリーと2026年のシックスペンスは8番人気でした。こうした伏兵を振り返る際に大切なのは、単に人気が低かったという事実ではなく、レース当日に能力を発揮できる条件が整っていたかどうかです。
具体的には、東京芝1600mへの適性、近走の敗因、先行争いの激しさ、直線で進路を確保できるか、そして最後まで脚を持続できるかを確認します。人気薄という理由だけで買うのではなく、人気が低く評価されている根拠と、巻き返しが可能な根拠を分けて考えることが重要です。
【歴代優勝馬の関係性】ソングラインの連覇から海外の強豪まで
2017〜2026年の安田記念には、それぞれ異なる勝ち方をした馬が名を連ねています。連覇を達成したソングライン、短期間でGⅠ初制覇を成し遂げたモズアスコット、海外の実績を東京で示したロマンチックウォリアーなど、勝利の背景を比較すると、このレースの幅広さが見えてきます。
ソングラインの安田記念連覇は何がすごかったのかソングラインは2022年、4番人気で安田記念を初制覇しました。翌2023年も4番人気で勝利し、同レースの連覇を達成しています。2023年は18頭の争いを鋭い末脚で差し切り、前年に続くマイル王の座を守りました。
2年連続で同じGⅠを制するには、前年の実績だけでは足りません。相手関係や展開が変わっても力を発揮する必要があります。ソングラインは2年とも4番人気での勝利であり、単純な人気順よりも、コース適性や末脚の質を評価する余地があったことを示しています。
ジャンタルマンタルとロマンチックウォリアーの違い2025年のジャンタルマンタルは2番人気で勝利しました。朝日杯フューチュリティステークスとNHKマイルカップの勝ち馬として知られ、安田記念でもマイルGⅠの実績を結果につなげています。
対照的に、2024年のロマンチックウォリアーは香港を拠点に活躍してきた世界的な強豪です。1番人気に支持され、日本のマイル路線で実績を積んだ馬たちを相手に勝利しました。海外馬を評価するときは知名度だけでなく、距離適性、遠征条件、当日の馬場、レース運びを日本の出走馬と比較する必要があります。
歴代優勝馬を比較すると分かること- サトノアラジン(2017年):7番人気で勝利。直線で鋭く伸び、ロゴタイプをクビ差で差し切った。
- モズアスコット(2018年):9番人気で勝利。速い流れのなかで進路を確保し、GⅠ初制覇を果たした。
- インディチャンプ(2019年):4番人気で勝利。アーモンドアイ、ダノンプレミアムが注目された一戦で結果を残した。
- グランアレグリア(2020年):3番人気で勝利。GⅠタイトルを積み重ねていたアーモンドアイを破った。
- ダノンキングリー(2021年):8番人気で勝利。約7か月ぶりの実戦でGⅠ初制覇を飾った。
- ソングライン(2022・2023年):2年連続で安田記念を制覇。末脚の持続力を示した。
- ロマンチックウォリアー(2024年):海外で培った実績を東京の舞台でも発揮した。
- ジャンタルマンタル(2025年):マイルGⅠの実績を生かして勝利した。
- シックスペンス(2026年):8番人気から勝ち上がり、接戦を制してGⅠ初制覇を果たした。
【東京芝1600mの傾向】勝ち時計・脚質・枠順をどう読む?
安田記念の舞台は、東京競馬場の芝1600mです。JRAのコース解説によると、スタート地点は2コーナー付近で、3コーナーまでの距離は約540m。ゴール前の直線は525.9mあり、直線前半には高低差約2mの坂が設けられています。スピードだけでなく、坂を越えてからもう一段伸びる力も求められます。
「マイラーとしての総合力を試されるコースだ」
JRAのコース解説が示すこの特徴は、安田記念を考えるうえで重要です。単純な瞬発力勝負に強い馬だけでなく、速いペースを追走しながら、直線でも脚を使い続けられる馬が力を発揮しやすいコースです。
勝ち馬の4コーナー位置は後方から先行まで幅広い過去10年の勝ち馬を4コーナーの位置で見ると、2017年のサトノアラジンは後方、2018年のモズアスコットも後方から差し切りました。ソングラインも2022年は10番手、2023年は9番手から勝利しています。
一方、2025年のジャンタルマンタルは3番手、2026年のシックスペンスは2番手から勝ちました。近年の結果も踏まえると、安田記念は「差し馬だけを買えばよい」レースではありません。先行馬が無理なく運べる展開なら前残りもあり、先行争いが厳しくなれば差し馬の出番が増えるという、ペース判断が欠かせないレースです。
枠順別成績は内枠・外枠の決めつけを避ける過去10年の勝ち馬の枠番は、7枠が3勝、4枠と5枠がそれぞれ2勝、2枠・3枠・8枠がそれぞれ1勝でした。勝ち馬に限った単純集計では7枠が目立ちますが、各枠の出走頭数や出走馬の能力を考慮した勝率ではありません。
枠順別成績を予想に使う際は、内枠だから有利、外枠だから不利と決めつけるのは避けたいところです。内枠は距離ロスを抑えやすい反面、直線で進路が塞がる可能性があります。外枠は進路を確保しやすい反面、位置取りによっては余分な距離を走ることになります。当日の馬場傾向や各馬の脚質、先行馬の数を踏まえて評価しましょう。
勝ち時計だけで馬の能力を判断しない2019年の1分30秒9から、2026年の1分32秒1まで、過去10年の勝ち時計には差があります。良馬場でもレースの流れや開催時期の芝の状態によって時計は変化し、稍重の馬場で行われた年もあります。
過去の時計を比較するときは、馬場状態、前半のラップ、上がり3ハロン、通過順位をセットで確認しましょう。とくに、前半から速い流れになったレースで最後まで脚を使えた馬は、東京芝1600mへの適性を判断する材料になります。
【2026年最新】シックスペンスの勝利が示した安田記念の奥深さ
2026年6月7日に行われた第76回安田記念は、シックスペンスが1分32秒1で勝利しました。武豊騎手とのコンビで、単勝8番人気からGⅠ初制覇を達成しています。JRAの公式成績では、ワールズエンドとガイアフォースが2着同着となっており、上位3頭が極めて接近した決着でした。
1番人気のガイアフォースも2着同着に入った2026年のレースでは、シックスペンスが8番人気だった一方、ガイアフォースは1番人気に支持され、ワールズエンドとともに2着同着となりました。上位人気馬が力を発揮していても、勝ち切る馬は別になることがあります。
この結果は、人気と実際の着順を切り離して考える必要性を示しています。馬券を検討する際は、軸馬が3着以内に入る可能性と、1着まで突き抜ける可能性を同じものとして扱わないことが大切です。とくに3連単では、勝ち馬を当てるだけでなく、2着・3着の組み合わせまで正確に予測する必要があります。
2027年以降の予想に生かしたいポイント2026年の結果を踏まえるなら、次の3点を確認しておきたいところです。
- 前半の位置取り:先行馬が多いか、無理なく好位を確保できる馬がいるかを確認する。
- 東京コースへの適性:長い直線と坂をこなし、最後まで伸び続けられるかを近走の内容から判断する。
- 人気と能力の差:近走の着順だけでなく、敗因や展開の不利を分析し、過小評価されている馬を探す。
2026年のシックスペンスは、8番人気でも能力を発揮できれば勝ち切れることを示しました。ただし、過去に穴馬が勝ったという理由だけで、次の年も人気薄が来ると予測するのは危険です。再現性のある条件を探すことが、過去データを予想に生かす基本になります。
【プロの結論】安田記念の予想で優先したい判断基準
過去10年の結果から見えてくるのは、安田記念が人気順だけでは攻略しにくいマイルGⅠだということです。1番人気のロマンチックウォリアーが勝った年もあれば、9番人気のモズアスコット、8番人気のダノンキングリーやシックスペンスが勝った年もあります。
予想で優先したいのは、次の順番です。
- 東京芝1600mへの適性:長い直線と坂に対応できる持続力を持っているか。
- 展開と位置取り:先行争いが激しくなるか、前に行く馬が余力を残せるか。
- 近走の内容:着順だけではなく、上がりの脚や敗因、相手関係を確認する。
- 人気とのギャップ:能力に対して過小評価されている馬がいないかを見極める。
- 馬券の組み立て:軸馬の信頼度と相手候補の幅を分け、配当だけを追いかけない。
とくに3連単を狙う場合、穴馬を1着候補に置くのか、2着・3着候補に置くのかで買い目は大きく変わります。人気薄の勝利があるという過去データは、無条件に大穴を買う根拠ではなく、上位人気以外にも勝ち切る可能性のある馬を探す理由として活用するのが適切です。
【安田記念の過去10年】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:安田記念の過去10年で最も高い3連単配当はいくらですか?
A1:2017年の28万3,000円です。7番人気のサトノアラジンが勝ち、2着に8番人気のロゴタイプ、3着に3番人気のレッドファルクスが入りました。
Q2:安田記念で連覇した馬はいますか?
A2:2017〜2026年の対象期間では、ソングラインが2022年と2023年に連覇を達成しています。両年とも4番人気での勝利でした。
Q3:2026年の安田記念はどの馬が勝ちましたか?
A3:シックスペンスが1分32秒1で勝利しました。単勝8番人気で、2着にはワールズエンドとガイアフォースが同着で入りました。
Q4:安田記念は1番人気が強いレースですか?
A4:過去10年の勝ち馬だけを集計すると、1番人気の勝利は2024年のロマンチックウォリアーの1回です。2番人気は2025年のジャンタルマンタル、3番人気は2020年のグランアレグリアが勝利しています。ただし、これは勝ち馬の人気を集計したもので、1番人気の複勝率などを示すものではありません。
Q5:安田記念の予想では内枠と外枠のどちらが有利ですか?
A5:過去10年の勝ち馬は2〜8枠から出ており、特定の枠だけで有利・不利を断定するのは難しい状況です。枠順に加えて、脚質、先行馬の数、当日の馬場状態、直線で進路を確保できるかを確認しましょう。
安田記念の過去10年では、ソングラインの連覇、ジャンタルマンタルの勝利、ロマンチックウォリアーの世界的な実績、そして2026年のシックスペンスによる8番人気からの勝利など、さまざまなドラマが生まれました。勝ち時計は2019年の1分30秒9が最速で、3連単配当は2017年の28万3,000円が最高額です。
人気別成績や配当の数字は予想の出発点になりますが、それだけで次の勝ち馬を決めることはできません。東京芝1600mのコース特性、ペースへの対応力、直線での末脚、枠順と位置取りを総合的に評価することが大切です。
次回の安田記念でも、過去の波乱をそのまま再現しようとするのではなく、出走馬それぞれの能力と当日の条件を照らし合わせて判断しましょう。過去10年のデータは、人気に惑わされず、勝ち切る可能性のある馬を見つけるための手がかりになります。