東京・神田で53年にわたり親しまれた老舗喫茶店「珈琲専門店エース」。名物の「元祖のりトースト」と豊富なコーヒーメニュー、昭和の面影を残す店内で知られ、食べログの「喫茶店 百名店 2022」にも選出された名店です。しかし、2024年5月に閉店し、現在は神田の店舗で食事やコーヒーを楽しむことはできません。
一方、エースの歴史は閉店とともにすべて失われたわけではありません。名物のりトーストのレシピや店内の家具は別の場所へと受け継がれています。2026年10月時点の公開情報をもとに、閉店日、理由をめぐる情報、1971年創業からの歩み、メニューや口コミの評判、閉店後に名物の味を楽しめる場所まで詳しく解説します。
【2026年最新】珈琲専門店エースは現在営業している?閉店日と現状

最初に、最も気になる営業状況から確認します。神田の珈琲専門店エースは、2024年5月31日をもって閉店しました。1971年の創業から53年続いた歴史に幕を下ろしたことは、スポニチアネックスの2024年6月18日付の記事や、食べログの店舗情報でも確認できます。
閉店直前には臨時休業が続き、営業再開を待っていた人々にとっても突然の知らせとなりました。食べログには閉店の表示があり、過去の訪問記録や口コミは現在も閲覧できます。ただし、口コミが残っていることと、店舗が営業していることは別です。
閉店したのはいつ?閉店日は2024年5月31日です。5月中旬ごろから臨時休業していたことが複数の喫茶店訪問記や報道で伝えられ、月末に閉店が明らかになりました。閉店の告知を知る前に店を訪れ、営業していないことに驚いた人もいたようです。
閉店後も、食べログには過去のメニュー、店舗写真、利用者の口コミが残されています。これらは当時の店の雰囲気を知る資料として役立ちますが、営業時間や価格などを現在の情報として扱わないよう注意が必要です。
神田の店舗はどこにあった?アクセスと営業時間珈琲専門店エースが営業していた住所は、東京都千代田区内神田3-10-6です。JR神田駅の西口から徒歩約3分の路地にあり、東京メトロ神田駅からも徒歩圏内でした。大通り沿いではなく、赤と白のストライプのテント看板が目印の店舗として知られていました。
過去の店舗情報では、火曜から金曜は7時から18時まで、土曜は7時から14時までの営業で、月曜・日曜・祝日が休業日と記載されていました。朝7時から営業していたため、出勤前のモーニングを楽しむ人にとっても便利な存在でした。
ただし、これらは営業当時の情報です。2026年に神田を訪れても、以前の営業時間に合わせて来店することはできません。閉店した店舗の所在地を訪問先として設定しないようにしましょう。
【歴史を振り返る】1971年創業の神田の老舗喫茶店が愛された理由
珈琲専門店エースは、昭和46年にあたる1971年に創業しました。純喫茶文化が街に根づいていた時代から営業を続け、神田のオフィス街で働く人々や、喫茶店巡りを楽しむ人々に親しまれてきました。
純喫茶を紹介するメディアや店舗インタビューによると、店は両親が始めた「喫茶シミズ」を前身とし、清水英勝さんと清水徹夫さんの兄弟が中心となって切り盛りしていました。二人の接客や、店内に漂う独特の雰囲気も、長く通う人々を引きつけた要素でした。
エースの歴史を年表で整理| 時期 | 出来事・特徴 | 現在から見た意味 |
|---|---|---|
| 1971年8月 | 神田で創業。のりトーストも開店当初から提供 | 53年間続く店の出発点 |
| 営業期間中 | 清水兄弟が店を切り盛りし、多彩なコーヒーや軽食を提供 | 喫茶店としての個性を確立 |
| 2021年 | 創業50周年を迎える | 半世紀にわたる営業の節目 |
| 2021年・2022年 | 食べログ「喫茶店 百名店」に選出 | 喫茶店好きの間で知られる存在に |
| 2024年5月31日 | 53年の営業を終えて閉店 | 神田の店舗での飲食は終了 |
| 2024年12月以降 | 原宿のV.A.内で、家具やのりトーストのレシピが受け継がれる | 店の一部が別の場所で継承される |
この年表からわかるのは、エースが単に長く営業した店ではなく、看板メニューと独自の店づくりを何十年も継続してきたことです。創業50周年を迎えた後も営業を続け、食べログの「喫茶店 百名店 2021」「喫茶店 百名店 2022」に選出されるなど、喫茶店文化を象徴する店の一つとして認知されていました。
昭和の雰囲気を残した店内も魅力だったエースの特徴は、料理だけではありません。赤と白を基調とした外観、手書きのメニュー、壁面を埋めるコーヒーの案内や装飾、存在感のある椅子やテーブルなど、店内の細部に個性がありました。
2021年の純喫茶ティーシャツコレクションによる店主インタビューでは、看板や店内の文字、イラストを清水英勝さんが自ら描いていたことが紹介されています。店頭のテント看板の色も、兄弟で目立つ配色を考えて決めたものだったといいます。
チェーン店のように内装や接客を均一化するのではなく、店主の手仕事や長年使われた家具が店の個性になっていた点は、エースを語るうえで欠かせない。店を訪れること自体が、神田の街の歴史に触れる体験になっていました。
【名物を解説】元祖のりトーストはなぜ人気だった?
珈琲専門店エースを代表するメニューが、通称「元祖のりトースト」です。パンに海苔を挟むという、一見すると意外な組み合わせですが、長年にわたって多くの客を引きつけてきました。
2021年の店主インタビューによると、考案のヒントは、清水英勝さんが中学生のころに母親が作ってくれた海苔弁当でした。ご飯をパンに置き換える発想から生まれ、1971年の開店当初からメニューに並んでいたとされています。
海苔・バター・醤油・パンの組み合わせのりトーストの魅力は、素材を増やしすぎないことにあります。基本となるのは、食パン、海苔、バター、醤油の4つ。パンに醤油の風味をまとわせ、海苔とバターを合わせることで、磯の香りと香ばしさ、バターのコクが一体になります。
薄切りのパンを重ねた軽やかな食感も特徴です。外側は香ばしく、内側には醤油とバターの風味がなじみます。甘いジャムや具だくさんのサンドイッチとは異なり、塩味とうまみを中心に味わえるため、コーヒーとの相性もよい軽食でした。
店主は純喫茶ティーシャツコレクションのインタビューで、価格を抑えた理由について次のように語っています。
「食べてもらいたいからこそ、値段を安くしています」
同インタビューでは、当時の価格を抑え、初めて訪れた人にも注文してもらいやすい看板商品として位置づけていたことが伝えられています。のりトーストは単なる珍しい料理ではなく、店を知ってもらうための入口でもあったのです。
安さだけでは説明できない人気の理由営業当時ののりトーストは、時期によって価格の記録が異なります。過去の紹介記事では170円、閉店前の口コミでは220円などと記録されています。これらは当時の価格であり、閉店した神田の店舗で現在注文できる価格ではありません。
価格以外の魅力は、味のわかりやすさと独自性にあります。海苔と醤油は和食でおなじみの素材ですが、それをトーストに合わせることで、洋食と和食の境界を軽やかに越えた一品になりました。材料が少ないからこそ、一つひとつの風味が伝わりやすかったのです。
また、のりトーストは家庭でも再現できる料理として知られていました。しかし、店主のインタビューでは、同じように作っても店で食べるほうがおいしく感じられるという客の声にも触れられています。焼き加減や提供のタイミングだけでなく、コーヒーや店内の空気を含めた体験が、料理の印象を形づくっていたと考えられます。
【メニュー・口コミ・評判】コーヒー専門店としての実力
珈琲専門店エースは、のりトーストだけで知られる店ではありませんでした。看板に掲げた「珈琲専門店」という言葉どおり、コーヒーの種類が豊富だったことも大きな特徴です。
約40種類のコーヒーとアレンジメニュー2021年のインタビューでは、コーヒーはストレート15種類、アレンジコーヒー20種類、ブレンド5種類の計40種類と紹介されています。サイフォンを使った抽出方法や豆の量も、開店当初からのスタイルを受け継いでいたといいます。
紅茶やサンドイッチなどの軽食もあり、朝食から午後の休憩まで、幅広い用途で利用されていました。紹介記事では、ホイップクリームや砕いたくるみを使った「ドブロブニク風ナッツミルクティー」のような個性的な飲み物も取り上げられています。
過去のメニューには、ブレンドコーヒー、ストレートコーヒー、アレンジコーヒー、紅茶、トースト、サンドイッチなどがありました。ただし、すべてのメニューの名称や価格が一つの時点で統一された形で確認できるわけではありません。現在の営業メニューとして紹介することはできないため、ここでは営業当時の特徴として整理しています。
口コミで評価されたポイント食べログの店舗ページには、2026年10月の確認時点で評価3.65、口コミ投稿者数762人と表示されています。閉店後も多くの訪問記録が残っており、長年にわたって関心を集めていたことがうかがえます。なお、評価点や投稿者数はサイト上で変動する数値です。
口コミや訪問記を読み解くと、評判の中心には、のりトーストの独創性、コーヒーの選択肢の多さ、昭和の喫茶店らしい内装、そして店主兄弟の人柄がありました。
- 料理の評価:海苔と醤油、バターの組み合わせが珍しく、シンプルながら印象に残る。
- 飲み物の評価:種類が多く、定番のコーヒーから個性的なアレンジメニューまで選べる。
- 雰囲気の評価:手書きの装飾や年季の入った家具など、店独自の世界観がある。
- 接客の評価:兄弟が長年店頭に立ち、店主の人柄も店の魅力として語られてきた。
一方、口コミは個人の体験に基づくもので、評価の感じ方には差があります。昔ながらの喫茶店の空間や独創的なメニューを好む人には魅力的でも、最新設備の整ったカフェや豊富な現代風スイーツを求める人では、重視する点が異なるでしょう。
それでも、料理、コーヒー、空間、接客という複数の要素がそろって評価されていたことは、エースの人気を理解する手がかりになります。看板商品の話題性だけでなく、店で過ごす時間全体が支持されていたのです。
【閉店理由を検証】なぜ53年続いた名店は営業を終えたのか
珈琲専門店エースの閉店理由については、現在も検索する人が少なくありません。長年親しまれた店だけに、「なぜ閉店したのか」「店主の高齢化が理由なのか」「後継者がいなかったのか」といった疑問が生まれるのは自然なことです。
ただし、2026年10月時点で確認できる公開情報では、閉店の具体的な理由を店側が詳しく説明した公式発表は確認できません。報道や店舗情報で明確に伝えられているのは、2024年5月31日に閉店したことと、53年の歴史に幕を下ろしたという事実です。
高齢化や後継者問題が理由だったのか個人経営の老舗喫茶店では、店主の年齢、後継者の確保、日々の営業を支える人手、設備の維持などが経営継続に関わります。長年にわたり同じ店主が営業を担ってきた店舗ほど、事業を次の世代へ引き継ぐことは大きな課題になります。
エースについても、こうした事情を推測する声が見られます。しかし、高齢化や後継者不足が閉店の直接的な原因だったと断定できる公表資料は確認できません。閉店前に臨時休業が続いたことだけから、特定の事情を結びつけることもできません。
閉店理由と確認できる事実を分けて考える閉店の背景を理解する際は、確定している事実と一般論を分ける必要があります。エースが53年間営業を続けたことは事実ですが、その長い歴史だけで閉店理由を説明することはできません。
また、閉店したという結果から、経営不振だったと推測するのも適切ではありません。食べログの百名店選出や多くの口コミは、店の知名度や人気を示す材料にはなりますが、売上高や利益、家賃、人件費などの経営データを示すものではないからです。
確かなのは、2024年5月末に神田の店舗が営業を終え、再び同じ場所で営業するという公式な再開情報は確認できないことです。理由を断定する噂よりも、閉店日と閉店後の継承先を押さえることが、現在の状況を理解するうえで役立ちます。
【閉店後の現在】元祖のりトーストと家具はどこへ受け継がれた?
珈琲専門店エースの閉店後、名物のりトーストや店内の家具を別の場所で受け継ぐ動きがありました。特に知られているのが、原宿・表参道エリアのコンセプトストア「V.A.」に入るVAT BAKERYです。
雑誌「Hanako」の2025年5月21日付記事や「Time Out Tokyo」の店舗紹介では、VAT BAKERYのカフェでエースののりトーストを提供していること、店内にエースから譲り受けた椅子やテーブルが置かれていることが紹介されています。
原宿のVAT BAKERYで楽しむ継承されたのりトーストVAT BAKERYは、東京都渋谷区神宮前6-1-9にあるベーカリー&カフェです。エースの閉店後、名物のりトーストのレシピや家具の一部が受け継がれ、神田の老舗を知る人にとっても、その記憶に触れられる場所として紹介されました。
Hanakoの紹介記事では、のりトーストは600円、ドリップコーヒーは750円と掲載されています。これは2025年の取材時点の価格であり、2026年10月現在の最新価格を保証するものではありません。訪問する際は、当日の営業情報やメニューを事前に確認するのが確実です。
過去の店舗と同じレシピにつながる料理を味わえることは、エースのファンにとってうれしい継承です。ただし、提供する場所も店内の雰囲気も異なります。神田のエースそのものが復活したわけではなく、名物の味と家具の一部が新しい空間で生かされていると理解するとよいでしょう。
店内の椅子は「喫茶二十世紀」にも受け継がれた2024年6月18日付のスポニチアネックスは、20th Centuryのメンバーが運営する「喫茶二十世紀」に、エースで使われていた椅子が譲られたことを報じました。店の営業が終わった後も、長く使われてきた家具が別の喫茶空間で活用されることになったのです。
なお、喫茶二十世紀は公式サイトで2025年3月末をもって休業し、新たな場所での再開に向けて準備すると案内しています。そのため、エースの椅子が受け継がれたという過去の事実と、2026年現在に同店で利用できるかどうかは分けて考える必要があります。
エースの閉店後に注目したいのは、店そのものが再開したかどうかだけではありません。料理のレシピ、椅子やテーブル、店の記憶が別の場所へ受け継がれることで、長年の喫茶文化が次の世代につながっている点にも意味があります。
【よくある質問】珈琲専門店エースに関するFAQ
Q1:珈琲専門店エースは2026年現在も営業していますか?
A1:いいえ。神田の珈琲専門店エースは2024年5月31日に閉店しました。食べログの店舗ページにも閉店と表示されており、神田の旧店舗で飲食することはできません。
Q2:珈琲専門店エースの閉店理由は何ですか?
A2:閉店の具体的な理由を詳しく説明した公式発表は、確認できる公開情報では見当たりません。高齢化や後継者問題などの推測はありますが、直接の原因として確定した情報ではありません。
Q3:元祖のりトーストはどこで食べられますか?
A3:原宿のV.A.内にあるVAT BAKERYでは、エースから受け継いだレシピによるのりトーストが紹介されています。価格や営業時間は変更される可能性があるため、訪問前に最新の店舗情報を確認してください。
Q4:珈琲専門店エースの営業時間と住所を教えてください。
A4:旧店舗の住所は東京都千代田区内神田3-10-6で、JR神田駅西口から徒歩約3分でした。営業当時は平日7時から18時、土曜7時から14時が基本でしたが、現在は閉店しているため、これらは過去の情報です。
Q5:食べログの「喫茶店 百名店 2022」に選ばれた店ですか?
A5:はい。珈琲専門店エースは「喫茶店 百名店 2021」と「喫茶店 百名店 2022」に選出されています。ただし、百名店への選出は営業当時の評価であり、現在の営業状況を示すものではありません。
珈琲専門店エースは、1971年に神田で創業し、2024年5月31日に53年の歴史を終えた老舗喫茶店です。名物の元祖のりトースト、多彩なコーヒーメニュー、手書きの装飾が残る店内、そして清水兄弟の人柄が、長年にわたって愛される理由になっていました。
閉店理由については、具体的な原因を裏づける公式発表が確認できないため、高齢化や後継者問題などを断定することはできません。一方、閉店後にはのりトーストのレシピや家具の一部が受け継がれ、原宿のVAT BAKERYなどでエースの面影に触れられるようになりました。
2026年現在、神田の旧店舗を訪れて当時と同じサービスを受けることはできません。しかし、食べログに残る口コミや過去の取材記事を通じて、店が愛された背景を知ることはできます。実際に名物の味を楽しみたい人は、継承先として紹介されている店舗の最新情報を確認して訪れるとよいでしょう。
長く続く喫茶店の価値は、営業年数や受賞歴だけでは測れません。毎日のコーヒー、何気ない軽食、店主との会話、そして何度も通いたくなる空間。珈琲専門店エースが残したものは、そうした日常の積み重ねが一つの店の文化になることを教えてくれます。