2026年の女子フィギュアスケートで、アメリカ代表は大きな歴史を刻んだ。ミラノ・コルティナ冬季オリンピックの女子シングルで、アリサ・リウが合計226.79点を獲得して金メダルを獲得。2002年ソルトレークシティー大会のサラ・ヒューズ以来、24年ぶりにアメリカ女子が個人種目の五輪金メダルを手にした。一方、アンバー・グレンは5位、イザボー・レヴィトは12位となり、3人の結果は明暗が分かれた。国際スケート連盟(ISU)の公式リザルトには、それぞれの順位と得点が記録されている。
加えて、2026年1月の全米フィギュアスケート選手権ではアンバー・グレンが233.55点で優勝し、アリサ・リウが2位、イザボー・レヴィトが3位に入った。国内選手権の順位と五輪の順位が一致しなかったことは、米国女子の実力が一人のスターだけで決まるものではないことを示している。2026年10月現在のアリサ・リウの競技休養、ISU世界ランキング、次世代選手まで含め、アメリカ女子の現在地を整理する。
【2026年最新】アメリカ女子代表の現在地と五輪の結果

2026年ミラノ・コルティナ五輪の女子シングルで、アメリカ代表の3選手はそれぞれ異なる結果を残した。アリサ・リウが頂点に立つ一方、アンバー・グレンはショートプログラムからフリースケーティングで大きく巻き返し、イザボー・レヴィトは総合12位で大会を終えた。
この結果を理解するうえで大切なのは、ショートプログラムとフリースケーティングの順位を分けて見ることだ。総合順位だけでは、選手がどこで得点を伸ばし、どこで苦戦したのかが見えにくい。
アリサ・リウ:24年ぶりの米国女子シングル五輪金メダルアリサ・リウは合計226.79点で優勝した。ショートプログラムは3位だったが、フリースケーティングで150.20点を獲得して1位となり、逆転で金メダルをつかんだ。ショートプログラムの段階で首位に立っていなくても、フリーで高い完成度を発揮すれば総合順位を変えられることを示した演技だった。
アリサの金メダルには、競技復帰後の歩みという背景もある。2022年北京五輪後に競技生活から離れた彼女は、その後リンクに戻り、2025年世界選手権で優勝。2026年五輪では世界選手権のタイトルに続く大舞台での成功を収めた。米国フィギュアスケート界にとっては、長く待ち望まれた女子シングルの五輪金メダルでもあった。
アンバー・グレン:ショート13位から総合5位へアンバー・グレンは合計214.91点で5位。ショートプログラムでは13位と出遅れたものの、フリースケーティングでは147.52点を記録して3位に入り、総合順位を大きく引き上げた。メダルには届かなかったが、フリーでの得点力と巻き返す力は、彼女の競争力を示す重要な材料となった。
アンバーは五輪前の全米選手権で優勝しており、米国女子の国内トップとして大会に臨んだ選手でもある。五輪の5位という数字だけで、全米王者としての実力やシーズンを通した競争力を評価し切ることはできない。
イザボー・レヴィト:全米3位から五輪12位へイザボー・レヴィトは五輪で合計202.80点を記録し、12位となった。ショートプログラムは8位だったが、フリースケーティングでは131.96点で13位となり、総合順位を上げられなかった。全米選手権では3位に入って五輪代表に選ばれた選手だけに、国内大会とオリンピックの結果には大きな差が生じた。
ただし、五輪の一大会の順位と、長期的な選手としての評価は同じではない。イザボーは全米選手権で224.45点を獲得し、国際大会でも実績を積み重ねてきた選手だ。2026年秋以降の評価では、五輪の結果だけでなく、次のシーズンにどのような演技を見せるかも重要になる。
【五輪と全米選手権を比較】3人の順位・得点から見える勢力図
2026年の米国女子を理解するには、五輪と全米選手権の2大会を並べるのが分かりやすい。国内選手権ではアンバーがトップ、五輪ではアリサがトップとなった。大会ごとに順位が変わった事実は、国内での安定した実績と、五輪本番で結果を出す力の両方を見る必要があることを示している。
2026年全米フィギュアスケート選手権の女子順位2026年1月の全米選手権では、アンバー・グレンが233.55点で優勝した。アリサ・リウは228.91点で2位、イザボー・レヴィトは224.45点で3位。上位3人の得点差は、1位と2位が4.64点、2位と3位が4.46点だった。3人の差は大きく開いておらず、米国代表の上位争いが拮抗していたことが分かる。
なお、全米選手権の得点は、ショートプログラムとフリースケーティングの合計である。アンバーはショート83.05点、フリー150.50点で両方1位。アリサはショート81.11点、フリー147.80点、イザボーはショート75.72点、フリー148.73点だった。アリサとイザボーはフリーで近い得点を記録しており、ショートの差が総合順位に影響した。
五輪ではアリサが逆転、アンバーはフリーで巻き返し五輪ではアリサが226.79点、アンバーが214.91点、イザボーが202.80点となった。アリサはショート3位からフリー1位へ、アンバーはショート13位からフリー3位へと順位を上げた。一方、イザボーはショート8位からフリー13位となった。国内大会の順位をそのまま五輪に当てはめることはできず、本番での演技内容が結果を大きく左右した。
五輪の金メダルはアリサのものになったが、全米王者のアンバーにも高い競技力がある。アリサの逆転力、アンバーのフリーでの立て直し、イザボーの国内大会で示した得点力を、それぞれ別の強みとして評価するのが適切だ。
【関係性・得点・世界ランキング】3選手の比較表
3人の立ち位置を把握するため、全米選手権、五輪、2026年秋のISU世界ランキングを整理した。世界ランキングは複数シーズンの大会成績を反映するため、五輪の最終順位とは別の指標として読む必要がある。
| 選手 | 2026年全米選手権 | 2026年五輪女子シングル | 2026年10月24日時点のISU世界ランキング | 現在の注目点 |
|---|---|---|---|---|
| アリサ・リウ | 2位・228.91点 | 1位・226.79点 | 1位・4248ポイント | 五輪金メダリスト。2026-27シーズンは競技出場を休み、2027-28シーズンの復帰を予定 |
| アンバー・グレン | 1位・233.55点 | 5位・214.91点 | 3位・3671ポイント | 全米王者。五輪フリー3位の巻き返しも注目材料 |
| イザボー・レヴィト | 3位・224.45点 | 12位・202.80点 | 6位・3245ポイント | 五輪後の再構築と次シーズンの安定感が焦点 |
世界ランキングの数値は、ISUが公表した2026年10月24日付の女子シングル順位による。アリサが1位、アンバーが3位、イザボーが6位と、米国の3選手が上位に入っている。これは米国女子の層の厚さを示す一方、アリサは今季の競技出場を休む予定であるため、ランキングの高さをそのまま今季の出場状況と結び付けないことも大切だ。
また、ランキングは大会での順位そのものではなく、複数シーズンの結果に基づくポイントで決まる。五輪の総合順位、全米選手権の順位、ISU世界ランキングは、それぞれ異なる情報を表す。選手の現在地を正確に知るには、これらを組み合わせて判断する必要がある。
【アリサ・リウの現在】金メダル獲得後は引退ではなく競技休養へ
2026年10月現在、アリサ・リウは2026-27シーズンの競技会に出場しないことを公表している。8月の発表では、表現力やスケーティングを進化させるために時間を取り、競技から離れて調整する意向を示した。報道によれば、復帰は2027-28シーズンを予定しており、今回の決断は引退発表ではない。
この動向は、米国女子の今後を考えるうえで重要だ。五輪金メダリストが翌シーズンに不在となれば、アンバーやイザボー、さらに全米選手権で上位に入った選手たちが国際大会で存在感を示す機会が増える。一方で、アリサの休養期間が競技復帰後にどのような演技の変化をもたらすかは、今後の注目点になる。
アリサは2022年北京五輪後に競技生活から離れ、2024年に復帰。その後、2025年世界選手権で優勝し、2026年五輪で金メダルを獲得した。過去にも競技から離れた経験があるからこそ、今回の休養を即座に引退と解釈するのは適切ではない。公表されている予定は2027-28シーズンの復帰であり、実際の競技復帰や出場大会については今後の発表が判断材料となる。
【アメリカ女子フィギュアスケートの強さ】代表選考の仕組みと日本女子との比較
2026年五輪では日本が上位の厚さを見せた米国女子と日本女子を比較すると、2026年五輪の結果には明確な特徴がある。アメリカはアリサが金メダル、アンバーが5位だったのに対し、日本は坂本花織が224.90点で銀メダル、中井亜美が219.16点で銅メダル、千葉百音が217.88点で4位に入った。日本は3人が総合4位以内に入り、上位層の厚さを示した。
一方、米国は金メダルを獲得し、上位選手の得点力と国際大会で勝ち切る力を証明した。つまり、2026年の結果を「アメリカが日本より強い」「日本がアメリカより強い」と単純化するのは難しい。五輪のメダル争いではアリサが頂点に立ち、複数選手の上位進出という点では日本が強さを示したという、異なる側面がある。
米国女子が競争力を維持する理由2026年の結果から読み取れる米国女子の強みは、上位選手が一人に限られないことだ。全米選手権ではアンバー、アリサ、イザボーが上位3位を占め、ISU世界ランキングでも3人がトップ6に入った。さらにブラディー・テネルやサラ・エバーハートも世界ランキング上位に位置しており、複数の選手が国際舞台で競争力を保っている。
選手ごとの強みが異なることも見逃せない。アリサは五輪でショートプログラム3位からフリー1位へと逆転し、アンバーはショート13位からフリー3位まで巻き返した。イザボーは全米選手権でフリー148.73点を記録している。こうした結果は、米国代表の競争力が一つの演技スタイルだけで支えられているわけではないことを示す。
ただし、2026年のデータだけで米国の育成環境や指導体制が他国より優れていると断定することはできない。競技力を評価する際は、国内選手権の上位争い、国際大会での得点、複数シーズンにわたるランキングの推移を継続して見ることが重要だ。
アメリカ女子代表の選考は全米選手権の順位だけで決まるのか2026年五輪の米国代表は、2026年全米フィギュアスケート選手権の後に選考され、女子シングルではアンバー・グレン、イザボー・レヴィト、アリサ・リウの3人が代表に選ばれた。全米選手権では、この3人がそれぞれ1位、3位、2位に入っている。
ただし、米国フィギュアスケート連盟が公表した2026年五輪の選考手順では、全米選手権の順位だけでなく、世界選手権や過去の五輪の成績、国際大会での実績、世界ランキング、総合的な競技成績などを考慮する仕組みが示されていた。したがって、国内選手権で3位以内に入れば、必ず五輪代表になれるという単純な制度ではない。代表枠は最大3人だが、実際の選考は大会ごとの規定と選考手順に従って行われる。
この点は、全米選手権の結果を見るときにも重要だ。大会順位はその時点の実力を測る有力な材料だが、五輪代表選考では国際大会での実績や継続的な成績も判断材料となる。2026年大会の選考手順を、次の五輪でもそのまま適用される恒久的なルールと考えず、各大会で公表される最新の規定を確認したい。
【アメリカ女子フィギュアスケートの歴代金メダリストと次世代の注目選手】
女子シングルの五輪金メダリストはアリサで8人目アリサ・リウの2026年金メダルは、アメリカ女子シングルの歴史に新たな一ページを加えた。米国女子が五輪の個人種目で金メダルを獲得したのは、1956年のテニー・オルブライト、1960年のキャロル・ヘイス、1968年のペギー・フレミング、1976年のドロシー・ハミル、1992年のクリスティ・ヤマグチ、1998年のタラ・リピンスキー、2002年のサラ・ヒューズに続く8人目となる。
2002年から2026年までの間、アメリカ女子は五輪女子シングルの金メダルから遠ざかっていた。アリサの優勝は、長い空白を埋める結果であると同時に、米国女子が世界の頂点に戻る可能性を改めて示した出来事だった。
次世代を担う注目選手は誰かアリサが競技を休む2026-27シーズンは、アンバーとイザボーに加え、全米選手権で上位に入った選手たちの成長が注目される。全米選手権ではブラディー・テネルが4位、サラ・エバーハートが5位、ソフィー・ジョリーン・フォン・フェルテンが6位となった。これらの順位は、米国女子の代表争いが上位3人だけで完結していないことを示している。
ISU世界ランキングでも、ブラディーは8位、サラは9位に入っている。国際大会での実績を持つ選手が複数いることは、アリサの不在を埋める候補が一人に限定されないことを意味する。ただし、ランキングは過去の大会成績を含む指標であり、次の全米選手権や国際大会での結果を保証するものではない。
今後の勢力図を追うなら、全米選手権の順位だけでなく、ショートプログラムとフリースケーティングの得点差、国際大会での安定感、世界ランキングの変化を組み合わせて見るとよい。米国女子の強さは、五輪金メダリストの存在だけでなく、次の代表候補がどこまで成績を伸ばせるかによっても左右される。
【フィギュアスケート女子アメリカ】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:2026年ミラノ・コルティナ五輪でアメリカ女子は何位でしたか?
A1:女子シングルでは、アリサ・リウが226.79点で1位、アンバー・グレンが214.91点で5位、イザボー・レヴィトが202.80点で12位でした。
Q2:2026年の全米フィギュアスケート選手権で優勝したのは誰ですか?
A2:アンバー・グレンです。233.55点で優勝し、アリサ・リウが228.91点で2位、イザボー・レヴィトが224.45点で3位となりました。
Q3:アリサ・リウは引退したのですか?
A3:2026年10月現在、引退ではなく競技休養です。2026-27シーズンは競技会に出場せず、2027-28シーズンの復帰を予定しています。
Q4:2026年10月時点のアメリカ女子の世界ランキングは?
A4:10月24日付のISU世界ランキングでは、アリサ・リウが1位、アンバー・グレンが3位、イザボー・レヴィトが6位でした。世界ランキングは複数シーズンの成績を反映するため、五輪の最終順位や今季の出場状況とは区別して見る必要があります。
Q5:アメリカ女子は日本女子より強いのでしょうか?
A5:2026年五輪では、アメリカのアリサ・リウが金メダルを獲得しました。一方、日本は坂本花織が2位、中井亜美が3位、千葉百音が4位と、上位4人のうち3人を占めました。優勝争いでの強さと上位層の厚さを分けて比較が必要です。
2026年のアメリカ女子は、アリサ・リウの五輪金メダルによって歴史的な成果を挙げた。同時に、全米選手権ではアンバー・グレンが優勝し、イザボー・レヴィトも表彰台に入った。五輪の順位だけを見れば3人の明暗は分かれたが、国内大会と世界ランキングまで含めると、米国女子には複数の有力選手がいることが分かる。
今後の注目点は、アリサが予定どおり2027-28シーズンに復帰するか、アンバーが国内王者として国際大会で安定した成績を残せるか、そしてイザボーやブラディー、サラらがどこまで順位を伸ばせるかという3点だ。日本女子との比較では、五輪での優勝実績だけでなく、複数選手が上位に入る厚さにも注目したい。
米国女子の現在地を正確に把握するには、五輪のメダル、全米選手権の順位、ISU世界ランキング、そして競技休養や復帰の発表をそれぞれ区別して追うことが大切だ。2026年の結果は一つの到達点であり、次のシーズンはアリサの不在を誰が埋め、米国女子の競争力をどこまで維持できるかが問われる。