スキージャンプ男子の小林陵侑選手は、2026年現在も世界のトップレベルで戦い続けている。2025/26シーズンのFISワールドカップ(W杯)では個人総合2位、個人戦2勝を記録。2026年2月のミラノ・コルティナ冬季オリンピックでは、男子ノーマルヒル8位、男子ラージヒル6位という結果を残し、混合団体では日本チームの銅メダル獲得に貢献した。
2026年10月29日時点で注目したいのは、過去の五輪金メダリストという肩書だけではない。W杯総合優勝2回、スキージャンプ週間総合優勝3回、W杯個人戦通算37勝という実績を持ちながら、新シーズンを目前に控えている点だ。直近の2026年サマーグランプリでは個人戦10位、混合団体3位。これまでの記録と2026/27シーズンの展望を、国際スキー・スノーボード連盟(FIS)や日本オリンピック委員会(JOC)などの公式記録を基に整理する。
【2026年最新】小林陵侑の現在は?W杯総合2位と五輪の結果を整理

小林陵侑選手の2026年を振り返ると、シーズンを通じた安定した競技力と、五輪の個人戦で表彰台に届かなかった悔しさが同居している。
2025年11月に始まった2025/26シーズンのW杯では、開幕戦シリーズのリレハンメルで優勝。12月21日のスイス・エンゲルベルク大会でも勝利し、シーズン2勝を挙げた。FISの最終総合順位では、1194ポイントを獲得して2位に入っている。
ただし、総合2位という数字を、そのまま総合優勝争いが接戦だったという意味に捉えるのは正確ではない。優勝したスロベニアのドメン・プレブツは2148ポイントで、小林との差は954ポイントだった。小林は上位争いを維持した一方、シーズン全体で勝ち星やポイントを積み重ねる面では、首位との差が残った。
一方、2026年2月のミラノ・コルティナ五輪では、個人戦でメダルを獲得できなかったものの、混合団体で銅メダルを獲得した。北京2022五輪の男子ノーマルヒル金メダル、ラージヒル銀メダルという実績を考えれば、個人戦の結果だけでは評価しきれない大会だった。
加えて、2026年10月24日のサマーグランプリ最終戦では個人10位、翌25日の混合団体では日本チームの3位に入った。冬季W杯の開幕前に確認できる直近の競技実績として、2026年秋も国際大会に出場している点は押さえておきたい。
【2025/26年W杯成績】小林陵侑の2勝と総合順位はどれほどすごい?
シーズン2勝はリレハンメルとエンゲルベルク2025/26シーズンの個人戦で、小林が優勝したのはノルウェーのリレハンメルとスイスのエンゲルベルクだ。
2025年11月23日のリレハンメル大会では、合計290.5ポイントを獲得。ドメン・プレブツの287.3ポイントを上回り、シーズン初勝利を飾った。FISの大会報告によると、悪天候の影響もあるなかで、最終ラウンドのジャンプによって首位に立った。
12月21日のエンゲルベルク大会では、1本目を終えた時点で5位だったものの、2本目で巻き返した。最終ラウンドは132メートル、163.4ポイント。合計310.0ポイントでプレブツを3.6ポイント上回り、シーズン2勝目を挙げた。
この2勝から読み取れるのは、単に飛距離を出す能力だけでなく、1本目の順位を挽回できる競技力だ。スキージャンプは2本の合計得点で順位が決まる個人戦が基本となるため、1本目で出遅れても、2本目で高得点を獲得すれば逆転できる。
W杯総合2位は、通年の安定性を示す数字FISの2025/26シーズン最終記録では、小林の個人総合順位は2位、獲得要点は1194。日本勢では二階堂蓮選手も総合4位に入り、1109ポイントを獲得した。
小林の順位を評価するときは、優勝回数だけでなく、シーズンを通じた得点の積み重ねにも目を向けたい。W杯は特定の1大会で優勝すれば総合タイトルが決まる競技ではない。各大会で上位に入り、ポイントを継続的に獲得することが、シーズン総合順位を左右する。
小林は2025/26シーズンに2勝を挙げた一方、総合優勝には届かなかった。2026/27シーズンに向けては、勝利数を伸ばすことに加え、優勝争いから離れる大会を減らし、ポイントを安定して獲得できるかが重要な評価基準になる。
【ミラノ・コルティナ五輪】男子ノーマルヒル・ラージヒルと混合団体の結果
2026年の五輪で小林陵侑が出場した注目種目は、男子ノーマルヒル、男子ラージヒル、混合団体、そして男子スーパーチームだった。JOCの公式記録では、成績は次のように整理されている。
男子ノーマルヒルは8位2026年2月9日の男子ノーマルヒルで、小林は8位となった。合計260.6ポイントを記録し、2本のジャンプで競った個人戦を終えた。
北京2022五輪では同種目で金メダルを獲得しているため、結果だけを比較すると順位を落とした形になる。ただし、五輪の順位は選手の過去の実績だけで決まるものではなく、その日のジャンプ、風の条件、飛距離、飛型点などを含めた得点で決まる。
男子ラージヒルは6位2月14日の男子ラージヒルでは6位に入った。合計284.5ポイントを獲得しており、ノーマルヒルより順位を上げている。
ラージヒルはノーマルヒルとは異なる規模のジャンプ台を使用する。ジャンプ台の大きさが違えば、飛距離だけでなく、空中姿勢や着地までの安定性が結果に影響する。小林はラージヒルで上位に入ったものの、メダル圏内には届かなかった。
混合団体で銅メダルを獲得2月10日の混合団体では、日本が銅メダルを獲得した。小林は丸山希、高梨沙羅、二階堂蓮とともに日本チームの一員として出場。日本の合計得点は1034.0ポイントで、スロベニア、ノルウェーに続く3位だった。
ここで区別しておきたいのは、銅メダルは小林個人のメダルではなく、日本チームが獲得した団体メダルだという点だ。JOCの記録でも、小林のミラノ・コルティナ五輪の銅メダルは混合団体の成績として掲載されている。
また、2月16日の男子スーパーチームでは6位だった。五輪全体では、個人種目で表彰台に届かなくても、混合団体で日本のメダル獲得に貢献したことが大きな成果となった。
【プロフィール・歴代記録】小林陵侑の出身地、TEAM ROY、ジャンプ週間の実績
小林陵侑は1996年11月8日生まれ、岩手県八幡平市出身。出身校は盛岡中央高校で、所属はTEAM ROYだ。日本オリンピック委員会と全日本スキー連盟の選手プロフィールでも、基本情報が確認できる。
国際舞台で大きく飛躍したのは2018/19シーズンだ。このシーズン、小林はW杯個人総合で初優勝を果たし、ジャンプ週間でも総合優勝。ジャンプ週間では4大会すべてを制する全勝優勝を達成し、世界のトップジャンパーとして存在感を高めた。
その後、2021/22シーズンにもW杯個人総合優勝とジャンプ週間総合優勝を達成。2023/24シーズンにはジャンプ週間の総合タイトルを再び獲得している。2025/26シーズン終了時点で、W杯個人総合優勝は2回、ジャンプ週間総合優勝は3回となった。
| 項目・時期 | 関係する記録・人物 | 実績と意味 |
|---|---|---|
| 基本プロフィール | 小林陵侑、TEAM ROY | 1996年11月8日生まれ。岩手県八幡平市出身、盛岡中央高校卒業。所属はTEAM ROY。 |
| 2018/19シーズン | FISワールドカップ、ジャンプ週間 | W杯個人総合初優勝。ジャンプ週間でも総合優勝し、4大会全勝を達成。 |
| 2021/22シーズン | FISワールドカップ、ジャンプ週間 | W杯個人総合2度目の優勝。ジャンプ週間も2度目の総合優勝。 |
| 2023/24シーズン | ジャンプ週間 | ジャンプ週間の総合優勝を達成。総合タイトルは通算3回。 |
| 2025/26シーズン | FISワールドカップ | 個人総合2位、1194ポイント、個人戦2勝。シーズンを通じて上位争いを維持。 |
| 2026年2月10日 | 丸山希、高梨沙羅、二階堂蓮 | ミラノ・コルティナ五輪の混合団体で日本が銅メダルを獲得。合計1034.0ポイント。 |
| 2026年10月 | サマーグランプリ、クリンゲンタール | 10月24日の個人戦は10位、25日の混合団体は日本チームが3位。 |
小林の歴代優勝記録を語るうえで重要なのが、W杯個人戦の通算37勝という数字だ。FISのシーズン別表彰台記録を基にすると、2025/26シーズン終了時点の個人戦通算優勝は37回となる。
この数字は、W杯総合優勝の回数とは異なる。W杯総合優勝はシーズン全体の成績で決まるタイトルであり、個人戦の優勝回数は各大会で1位になった回数だ。したがって、総合優勝2回、個人戦37勝という2つの記録は、別々の実績として理解する必要がある。
ジャンプ週間もW杯総合順位とは別のタイトルだ。ドイツとオーストリアで行われる伝統的な4大会の合計成績で争われ、小林は2018/19、2021/22、2023/24シーズンに総合優勝を達成した。2018/19シーズンの全勝優勝は、彼のキャリアを象徴する記録の一つだ。
【初心者向け】スキージャンプの得点の仕組みは?飛距離だけでは勝てない理由
小林の大会結果を正しく理解するには、スキージャンプの得点の仕組みを知っておくとわかりやすい。基本となるのは飛距離点と飛型点で、さらに風やスタートゲートの条件に応じた調整が加わる。
飛距離点はジャンプ台の基準点を基に計算するジャンプ台にはK点と呼ばれる基準点が設定されている。K点まで飛ぶと基準となる距離点が与えられ、そこからの距離に応じて得点が加算または減算される。1メートル当たりの配点はジャンプ台の種類によって異なる。
そのため、単純に「何メートル飛んだか」だけを異なる大会同士で比較しても、競技成績の優劣を正確に判断することはできない。ノーマルヒルとラージヒルでは規模が異なり、同じ飛距離でも評価の基準が同じとは限らない。
飛型点と風・ゲートの補正も勝敗を左右する飛型点は、空中姿勢や飛行の安定性、着地などを審査員が評価する仕組みだ。通常は5人の審査員が採点し、最高点と最低点を除いた3人分の得点を合計する。
加えて、向かい風や追い風は飛距離に影響するため、風の条件に応じた補正点が用いられる。スタートゲートの位置を変更した場合にも、競技規則に基づく補正が加わることがある。
個人戦では原則として2本のジャンプの合計得点で順位を決める。団体戦では選手ごとの得点を積み上げるため、個人の好成績だけでなく、チーム全体で得点をそろえることが重要だ。
この仕組みを踏まえると、五輪で小林がノーマルヒル8位、ラージヒル6位となった結果も、飛距離だけでは説明できない。ジャンプごとの得点、着地を含む飛型、当日の条件を合わせて見る必要がある。
【2026年秋の最新状況】小林陵侑の今後の大会と注目ポイント
2026年10月29日時点で、冬季W杯の開幕を前に注目されるのが、秋のサマーグランプリでの調整と2026/27シーズンへの準備だ。
直近のサマーグランプリでは個人10位、混合団体3位2026年10月24日、ドイツのクリンゲンタールで行われたサマーグランプリ男子個人最終戦で、小林は10位だった。翌25日の混合団体では、日本チームが3位に入った。
サマーグランプリは冬季W杯とは異なる大会シリーズであり、その順位をW杯の総合順位に直接加算することはできない。ただし、冬季シーズンを前にした競技状況を把握する材料にはなる。
この結果だけで冬季W杯の成績を予測することはできないが、個人戦と団体戦の両方に出場していることは、シーズン開幕前のチェックポイントとなる。
2026/27シーズンの開幕は11月20〜22日のリレハンメルFISが公表している2026/27シーズンの男子W杯カレンダーでは、最初の大会は11月20〜22日のノルウェー・リレハンメル。その後、11月28〜29日にフィンランドのルカ、12月5〜6日にポーランドのヴィスワで大会が予定されている。
小林にとってリレハンメルは、2025年11月にシーズン初勝利を挙げた場所でもある。2026/27シーズンでも開幕直後から上位に入れるかどうかは、今後の状態を判断するうえで注目したいポイントだ。
年末年始には、ドイツとオーストリアで行われるジャンプ週間が控える。小林は同大会で通算3回の総合優勝を経験しているため、W杯総合順位と並び、伝統の4大会でどのような成績を残すかも注目される。
今後の評価で注目したい3つのポイント第一は、個人戦の勝利数を伸ばせるかどうかだ。2025/26シーズンは2勝を挙げて総合2位に入ったが、総合優勝者とのポイント差は大きかった。単発の優勝だけでなく、各大会で安定して上位に入ることが求められる。
第二は、五輪の個人戦で表彰台に届かなかった経験を、その後の大会でどう生かすかだ。北京2022五輪で個人金・銀メダルを獲得した実績があるだけに、ノーマルヒルとラージヒルで再びメダル争いに加われるかは、今後の競技人生を考えるうえで重要な視点になる。
第三は、団体戦での貢献だ。2026年の五輪混合団体で日本は銅メダルを獲得し、秋のサマーグランプリ混合団体でも3位に入った。個人戦での結果に加えて、丸山希、高梨沙羅、二階堂蓮ら日本代表選手とのチーム成績にも注目したい。
【プロの結論】小林陵侑の実績を評価するときに知っておきたいこと
小林陵侑の2026年を評価する際、押さえておきたいのは、過去の栄光と直近の成績を切り分けることだ。
北京2022五輪では男子ノーマルヒル金メダル、ラージヒル銀メダルを獲得した。一方、ミラノ・コルティナ2026五輪では、男子ノーマルヒル8位、ラージヒル6位、スーパーチーム6位で、個人種目のメダル獲得には届かなかった。混合団体での銅メダルは、個人種目とは別に評価すべき成果である。
また、2025/26シーズンのW杯総合2位は、総合優勝を逃したという事実だけで評価を下げるべき結果ではない。2勝と1194ポイントを獲得して上位を維持したことは、世界トップクラスの競技力が続いていることを示している。ただし、首位との差が954ポイントだった点からは、総合優勝を目指すうえで、シーズンを通じた安定性が課題として浮かび上がる。
情報を見極める際には、次の3点を確認したい。
- W杯総合順位と個人戦の優勝回数を混同しない:総合優勝はシーズン全体の順位、個人戦通算37勝は各大会の1位の回数を表す。
- 五輪の個人メダルと団体メダルを区別する:ミラノ・コルティナ五輪の銅メダルは混合団体で日本が獲得したもの。
- 夏の大会と冬季W杯を区別する:サマーグランプリの順位は冬季W杯の総合ポイントには加算されず、別の大会成績として扱う。
こうした区別を踏まえると、小林陵侑の現在地は明確になる。すでに歴代の日本男子ジャンプ界を代表する実績を築いており、2025/26シーズンもW杯総合2位を確保した。今後の焦点は、過去のタイトル数だけではなく、2026/27シーズンでどこまで勝利数と安定性を高め、再び総合優勝を狙える位置に立てるかという点にある。
【小林陵侑の現在】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:小林陵侑は2025/26シーズンのW杯で総合何位でしたか?
A1:FISの最終記録では個人総合2位です。1194ポイントを獲得し、個人戦で2勝を挙げました。
Q2:小林陵侑はミラノ・コルティナ五輪で何個のメダルを獲得しましたか?
A2:日本チームの混合団体で銅メダルを獲得しました。個人種目は男子ノーマルヒル8位、男子ラージヒル6位で、男子スーパーチームは6位でした。
Q3:小林陵侑のW杯通算優勝回数とジャンプ週間の優勝回数は?
A3:2025/26シーズン終了時点で、W杯個人戦は通算37勝です。ジャンプ週間の総合優勝は2018/19、2021/22、2023/24シーズンの3回です。
Q4:小林陵侑の出身地と所属チームは?
A4:岩手県八幡平市出身で、盛岡中央高校を卒業しています。所属はTEAM ROYです。
Q5:小林陵侑の次の注目大会はいつですか?
A5:FISの2026/27シーズンカレンダーでは、男子W杯は2026年11月20〜22日にノルウェーのリレハンメルで開幕する予定です。その後のルカ大会や、年末年始のジャンプ週間も注目されます。
小林陵侑は2026年現在、W杯総合優勝2回、個人戦通算37勝、ジャンプ週間総合優勝3回という実績を持つ、日本を代表するスキージャンパーだ。2025/26シーズンもW杯個人総合2位、シーズン2勝を記録し、世界のトップ争いにとどまった。
ミラノ・コルティナ五輪では個人種目でメダルに届かなかった一方、混合団体で銅メダルを獲得。2026年秋のサマーグランプリでも個人戦と混合団体に出場し、次の冬季シーズンに向けて競技を続けている。
今後の最大の注目点は、2026/27シーズンで勝利数を伸ばし、W杯総合優勝を再び狙えるかどうかだ。個人戦の結果、総合ポイント、ジャンプ週間の成績、そして団体戦での貢献を分けて追うことで、小林陵侑の現在地と次の挑戦がより鮮明に見えてくる。