ホーム スポーツ 大相撲の懸賞金は1本7万円!力士の手取りと2026年最新記録を解説

大相撲の懸賞金は1本7万円!力士の手取りと2026年最新記録を解説

黒木 隼人 黒木 隼人 • 更新: • 公開: • 読了約 15 分
目次

大相撲の取組前、呼出が掲げて土俵を回る色鮮やかな懸賞旗。そして勝負が決まった直後、勝った力士が受け取る分厚い懸賞袋。あの袋にはいくら入っているのでしょうか。2026年現在、懸賞金は1本7万円(税込)で、勝ち力士に配分される金額は6万円です。ただし、土俵上で現金を受け取る金額は1万円。残りは銀行振込分と納税充当金に分かれています。

2026年9月場所では、横綱・大の里が懸賞金698本を獲得し、1場所の獲得本数で歴代最多を更新しました。加えて、同場所では実際に掲出された懸賞も3,688本に達し、場所全体の記録も更新。懸賞金の仕組みを知ると、力士の収入だけでなく、企業の広告戦略や大相撲人気の現在地まで見えてきます。

【基本を解説】大相撲の懸賞金は1本いくら?7万円の内訳と力士の手取り

懸賞金大相撲

日本相撲協会の公式案内によると、大相撲の懸賞金は1本7万円(税込)です。この金額は、懸賞を申し込む企業・団体が支払う総額であり、勝った力士がそのまま7万円を受け取るわけではありません。

7万円のうち、1万円は日本相撲協会の手数料、残る6万円が勝ち力士の獲得額です。手数料には、取組表への提供者名の掲載料や場内放送料が含まれます。この金額体系は2019年9月場所から適用されています。

懸賞金7万円の内訳はどうなっている?

力士の獲得額6万円についても、すべてが土俵上で現金として渡されるわけではありません。2025年5月場所から現金支給分が変更され、現在の取り扱いは次のようになっています。

  • 1万円:勝ち名乗りの際、土俵上で懸賞袋に入れて渡される現金。
  • 2万円:現金支給分の変更に伴い、銀行口座へ振り込まれる分。
  • 3万円:納税充当金として、日本相撲協会が獲得力士本人名義の預り金として管理する分。

つまり、懸賞1本につき、力士に帰属する金額は合計6万円です。その内訳は、現金1万円、振込分2万円、納税充当金3万円となります。

この仕組みを理解するうえで注意したいのが、「手取り」という言葉の意味です。懸賞金の説明で使われる6万円は、協会の手数料を除いた力士の獲得額を指します。税金を差し引いた後の最終的な手取り収入が6万円という意味ではありません。

なぜ土俵上の現金が3万円から1万円に減ったのか

日本相撲協会は2025年5月場所から、懸賞袋に入れる現金を従来の3万円から1万円へ変更しました。日刊スポーツの2025年5月9日の報道によると、背景には大量の現金を持ち歩くことによる盗難リスクや、懸賞袋に現金を詰める作業の負担がありました。

懸賞金の総額や勝ち力士の獲得額が減ったわけではありません。変更されたのは、受け渡し方法です。現在の取組を見て「袋の中身が1万円しかない」と感じても、残りの獲得額がなくなったわけではないのです。

【2026年最新】大の里が懸賞金698本を獲得!9月場所の歴代記録を検証

2026年の大相撲で懸賞金を語るうえで欠かせないのが、横綱・大の里の記録です。2026年9月場所では、15日間で懸賞698本、力士獲得額4,188万円に達しました。1本当たり6万円として計算すると、698本×6万円=4,188万円となります。

従来の記録を振り返ると、2015年初場所では横綱・白鵬が545本を獲得。2025年9月場所には大の里が519本を獲得し、懸賞金の総額で白鵬の記録を上回りました。そして2026年9月場所、大の里は698本に伸ばし、獲得本数でも過去の記録を大きく更新したのです。

2026年9月場所の懸賞金はどれほど大きいのか

698本という数字を、現在の配分方法で計算すると、金額の大きさがより鮮明になります。

  • スポンサー側の懸賞金負担額:698本×7万円=4,886万円。
  • 大の里の懸賞獲得額:698本×6万円=4,188万円。
  • 土俵上で受け取る現金の合計相当額:698本×1万円=698万円。
  • 銀行振込分の合計相当額:698本×2万円=1,396万円。
  • 納税充当金の合計相当額:698本×3万円=2,094万円。

これらは懸賞金の配分を単純計算した金額です。4,188万円は税引き後の最終手取りでも、大の里の年間収入でもありません。給与、力士褒賞金、優勝賞金、各種手当などとは区別して考える必要があります。

2026年9月場所は懸賞本数でも過去最多

場所全体の数字にも注目したいところです。2026年9月場所は、開催前の懸賞申し込みが3,895本に達しました。一方、実際に土俵上で掲出された懸賞は3,688本で、こちらも過去最多を更新したと報じられています。

この2つの数字は同じではありません。3,895本は事前の申し込み総数、3,688本は実際に掲出された本数です。申し込み数と実績を混同すると、過去最多記録の比較を誤る原因になります。

2026年5月場所では、実際の掲出本数が3,563本に達していました。9月場所はこれを125本上回っています。懸賞金の増加は、一部の人気力士だけでなく、大相撲全体に対する企業の広告需要が強まっていることを示す数字でもあります。

【数字で比較】懸賞金の仕組みと大相撲の歴代記録一覧

懸賞金を正しく理解するには、スポンサーが支払う金額、力士の獲得額、土俵上で受け取る現金、そして歴代の記録を分けて整理することが大切です。

項目 金額・本数 意味・補足
懸賞金1本 7万円 企業・団体が支払う総額(税込)
協会の手数料 1万円 取組表への掲載料・場内放送料など
勝ち力士の獲得額 6万円 税引き後の最終手取りとは異なる
土俵上の現金 1万円 2025年5月場所から変更
銀行振込分 2万円 現金支給分の変更に伴う振込分
納税充当金 3万円 協会が本人名義の預り金として管理
2015年初場所・白鵬 545本 当時の1場所獲得本数の記録
2025年9月場所・大の里 519本 懸賞金総額3,114万円
2026年9月場所・大の里 698本 懸賞金獲得額4,188万円
2026年9月場所全体 3,688本 実際の掲出本数で過去最多

歴代記録を比べる際に見落とせないのが、懸賞金の金額改定です。白鵬が545本を獲得した2015年当時は、現在とは1本当たりの配分額が異なっていました。そのため、獲得本数だけでなく、当時の制度と金額を合わせて比較しなければ、記録の意味を正しく捉えられません。

【懸賞旗の意味】なぜ土俵を回る?企業の申し込み費用と広告の仕組み

懸賞金は、力士への賞金であると同時に、企業や団体にとっては広告出稿の仕組みでもあります。日本相撲協会の公式案内では、懸賞を出せるのは幕内の取組のみ。希望する取組や、応援している力士の取組などを指定できます。

懸賞旗が土俵を回る理由

懸賞旗は、取組前に呼出が掲げて土俵を回る縦長の旗です。企業名や商品名、ブランドロゴなどを観客に見せる役割を持っています。懸賞を出した企業の名前は、当日の取組表に印刷され、取組直前には場内放送でも読み上げられます。

日本相撲協会が公表している懸賞旗の規格は、横70cm、縦120cmです。旗はスポンサー側が制作して持ち込みます。土俵上で掲げるため、デザインには一定の制限があります。

つまり懸賞旗は、単なる装飾ではありません。テレビ中継や会場での観戦を通じて、スポンサーの名前を広く届ける広告媒体です。勝負への注目が集まるタイミングで掲出されることが、懸賞広告の特徴です。

企業が懸賞を出すにはいくら必要?

日本相撲協会の公式案内によると、懸賞の申し込みには、1日1本以上、1場所15本以上という条件があります。15日間に1日1本ずつ申し込む場合、懸賞金だけで105万円(税込)です。追加分は1本単位で申し込めます。

  • 1本:7万円(税込)。
  • 1場所15本:105万円(税込)。
  • 追加申し込み:1本から受け付け。
  • 対象となる取組:幕内の取組。
  • 提供者名:取組表掲載・場内放送用の原稿は活字15文字以内。
  • 懸賞旗:スポンサー側が制作し、持ち込む。

このほかに懸賞旗の制作費が必要です。旗の制作費は、デザインや制作業者などによって異なるため、協会が定める懸賞金105万円とは別に考える必要があります。

企業にとって懸賞は、単に力士を応援するための支出ではありません。特定の力士や取組を通じて商品・サービスを訴求し、会場の観客やテレビの視聴者にブランドを認知してもらうための広告投資です。人気力士の取組に懸賞が集中する背景には、注目度と広告効果への期待があります。

【起源と歴史】懸賞金はいつから始まった?平安時代から続く勝者への贈り物

大相撲の懸賞は、現代の広告ビジネスだけを見ていては理解しきれません。その起源は古く、勝者に品物を贈る習慣にさかのぼります。

日本相撲協会の公式解説によると、平安時代の相撲節会(すまいのせちえ)では、勝者に米や布地などが贈られていました。武家相撲の時代にも勝者への贈り物は続き、弓や矢などが与えられる慣習につながっていきます。

江戸時代の祝儀から、現在の懸賞金へ

江戸時代には、力士に対する祝儀として「纏頭(はな)」が盛んになりました。現在の懸賞金とまったく同じ制度ではありませんが、勝者に報いる習慣という点でつながりがあります。

明治42年(1909年)には、土俵に祝儀を投げ入れる「投げ纏頭」が禁止されました。そして、現在のように賞金として懸賞を渡す形が整ったのは昭和30年(1955年)です。

千秋楽の「これより三役」で勝った力士に矢や弦が贈られる儀式にも、こうした歴史の名残が見られます。懸賞金は、長く続いてきた勝者への報奨という文化が、現代の金銭と広告の仕組みに発展したものなのです。

【プロの結論】懸賞金から見える大相撲の人気と企業スポンサーの実態

懸賞金をめぐる数字から見えてくるのは、力士個人の収入だけではありません。勝負の注目度、企業の広告戦略、地域との結び付き、そして相撲人気の変化が重なっています。

懸賞本数は、番付だけでは決まらない

2026年9月場所では、横綱・大の里が698本を獲得した一方、関脇・熱海富士もスポンサーの支持を集めました。場所前の申し込みでは熱海富士が213本で、力士別の2位に位置していました。日刊スポーツは、熱海ガスや「熱海プリン」を展開するTTCなど、地元・熱海にゆかりのある企業からの申し込みが目立ったと報じています。

この事例は、懸賞本数が番付の高さだけで決まるわけではないことを示しています。力士の知名度や成績はもちろん、地元企業との関係、出身地への期待、特定の取組への関心なども、スポンサーが懸賞を申し込む動機になり得ます。

数字を読むときに押さえたい3つのポイント
  • 懸賞金の総額と力士の獲得額を分ける:1本7万円のうち、力士の獲得額は6万円です。
  • 土俵上の現金と最終的な手取りを混同しない:現金は1本1万円で、振込分と納税充当金が別にあります。
  • 申し込み数と実際の掲出数を区別する:2026年9月場所では、申し込み3,895本に対し、実際の掲出は3,688本でした。

懸賞金の数字を比べるときは、対象となる場所、金額制度、集計対象の3点をそろえることが欠かせない。獲得本数の記録と、場所全体の掲出本数の記録も、別々に見る必要があります。

懸賞金は、勝った力士への報奨であり、スポンサーにとっての広告費であり、大相撲の人気を映す数字でもあります。2026年9月場所の大の里が記録した698本・4,188万円という数字は、これらの要素が一つの土俵上で交差した結果といえます。

【よくある質問】大相撲の懸賞金に関するFAQ

Q1:大相撲の懸賞金は1本いくらですか?
A1:2026年現在、1本7万円(税込)です。勝ち力士の獲得額は6万円で、残る1万円は日本相撲協会の手数料です。

Q2:懸賞金のうち、土俵上で受け取る現金はいくらですか?
A2:2025年5月場所から1本1万円になりました。残る力士獲得額5万円は、銀行振込分2万円と納税充当金3万円に分かれます。

Q3:大の里は2026年9月場所で懸賞金をいくら獲得しましたか?
A3:698本を獲得し、1本6万円で計算すると4,188万円です。これは懸賞金の獲得額であり、税引き後の最終手取りや年間収入を示す数字ではありません。

Q4:2026年9月場所の懸賞本数は過去最多ですか?
A4:実際に掲出された懸賞は3,688本で、過去最多を更新したと報じられています。開催前の申し込み総数3,895本とは区別して考える必要があります。

Q5:企業が懸賞を出すには最低いくら必要ですか?
A5:日本相撲協会の公式案内では、1日1本以上、1場所15本以上が申し込み条件です。15日間に15本を申し込む場合、懸賞金は105万円(税込)で、別途、懸賞旗の制作費がかかります。

大相撲の懸賞金は1本7万円。勝ち力士の獲得額は6万円で、現在は土俵上の現金1万円、銀行振込分2万円、納税充当金3万円という内訳になっています。現金で受け取る額だけを見て、懸賞金全体の獲得額を判断することはできません。

2026年9月場所では、大の里が698本・4,188万円を獲得し、1場所の懸賞獲得本数の記録を更新しました。場所全体の実際の掲出本数も3,688本に達し、過去最多となっています。

懸賞旗の背景には、勝者への報奨という歴史と、スポンサー企業による広告活動があります。懸賞金の内訳、預り金と税金の関係、申し込み数と実績の違いを押さえれば、土俵上の華やかな光景を、より立体的に楽しめるはずです。

主な根拠資料:日本相撲協会の懸賞制度・歴史に関する公式案内、日刊スポーツの2025年5月の現金支給方法変更報道、2026年9月場所の懸賞記録に関する報道。

同じカテゴリの記事

黒木 隼人
トレンドリサーチャー 黒木 隼人
プロフィールを見る →

プロ野球とサッカーを中心に、試合結果と選手コメントを公式記録で裏取りします。数字は一次記録から拾うのが徹底事項です。

おすすめの関連記事