大相撲の懸賞金は、2026年10月現在、1本あたり7万円(税込み)です。懸賞が付いた取組で勝った力士には、そのうち6万円が割り当てられ、残る1万円は日本相撲協会の手数料に充てられます。ただし、力士が勝ち名乗りの際に懸賞袋で受け取る現金は1本1万円。残りの5万円は、税金などに備えるため、本人名義の預り金として管理されます。
2025年5月には、懸賞袋に入れる現金が従来の3万円から1万円へ変更されました。懸賞金の総額や勝った力士の取り分が減ったわけではありません。この記事では、日本相撲協会の公式案内と報道資料を基に、2026年最新の金額、懸賞袋の中身、積立金の仕組み、企業スポンサーの申し込み条件、歴代最高記録まで詳しく解説します。
【まず結論】大相撲の懸賞金は1本7万円!勝った力士の取り分は6万円

大相撲の懸賞金は、企業や団体などのスポンサーが幕内の取組に懸ける賞金です。懸賞旗を掲げてスポンサー名をアピールする広告の役割も担っています。
日本相撲協会の公式案内によると、懸賞金は1本7万円(税込み)。勝った力士に割り当てられる金額は6万円で、協会が受け取る手数料は1万円です。この金額は、2019年9月場所から適用されています。
ここで注意したいのは、勝った力士の取り分6万円と、その場で受け取る現金1万円は別の数字だという点です。懸賞袋に入った現金だけを見ると1万円ですが、残りの5万円も力士本人名義の預り金として管理されます。
懸賞金が10本、30本、50本ならいくら?懸賞金は、勝った力士が獲得した本数に応じて積み上がります。1本あたりのスポンサー支出は7万円ですが、力士の取り分は1本6万円です。
- 懸賞10本:スポンサー支出70万円、勝った力士の取り分60万円
- 懸賞30本:スポンサー支出210万円、勝った力士の取り分180万円
- 懸賞50本:スポンサー支出350万円、勝った力士の取り分300万円
加えて、現在の支給方法では、懸賞50本を獲得すると、土俵上で受け取る現金は50万円、本人名義の預り金は250万円になります。協会の手数料は50万円です。
横綱や大関の注目の一番で懸賞旗が何十本も回ると、数百万円規模の賞金が動きます。懸賞旗の本数は、取組の注目度やスポンサーの広告戦略を知る手がかりにもなります。
【内訳を一覧で解説】懸賞袋の現金1万円と積立5万円の仕組み
懸賞金の7万円は、協会の手数料と勝った力士の取り分に分かれます。加えて、力士の取り分6万円は、土俵上で渡される現金と、本人名義で管理される預り金に分かれる仕組みです。
それぞれの金額と役割を整理すると、次のようになります。
| 項目 | 金額 | 受取先・用途 |
|---|---|---|
| スポンサーが支払う懸賞金 | 7万円 | 1本あたりの総額 |
| 日本相撲協会の手数料 | 1万円 | 取組表への掲載、場内放送など |
| 勝った力士の取り分 | 6万円 | 現金と本人名義の預り金に分配 |
| 懸賞袋に入る現金 | 1万円 | 勝ち名乗りの際に土俵上で受け取る |
| 本人名義の預り金・積立分 | 5万円 | 納税などに備えて協会が管理する |
2025年5月の夏場所から、懸賞袋に入れる現金は1本あたり3万円から1万円へ変更されました。懸賞袋の見た目や、勝った力士が受け取る動作は従来と同じでも、中に入っている現金の額は変わっています。
例えば、懸賞10本なら、土俵上で受け取る現金は合計10万円です。勝った力士の取り分60万円との差額50万円は、本人名義の預り金として管理されます。
積立5万円は没収されるお金ではない預り金の5万円は、力士の取り分から差し引かれて消えてしまう手数料ではありません。税金や引退後の費用などに備えるため、本人名義で管理されるお金です。必要な手続きを経て引き出すこともできます。
このため、「懸賞金7万円のうち、力士がもらえるのは現金1万円だけ」と理解するのは正確ではありません。正しくは、勝った力士の取り分は6万円で、そのうち1万円が現金、5万円が預り金という仕組みです。
【変更の経緯】懸賞金7万円になった理由と2025年の支給方法の見直し
懸賞金制度は、スポンサーの広告活動と力士への賞金を結び付けた仕組みです。金額の改定と現金の支給方法の変更は、それぞれ異なる理由で実施されました。
2019年9月:懸賞金が6万2,000円から7万円へ2019年5月、日本相撲協会は懸賞金の増額を発表しました。同年9月の秋場所から、1本あたりの金額は従来の6万2,000円から7万円へ引き上げられています。
当時の報道によると、改定前は力士が土俵上で受け取る現金が3万円、本人名義の積立金が2万6,700円、協会の手数料が5,300円でした。改定後は、現金3万円を維持しながら、積立金が3万円、協会の手数料が1万円となりました。
つまり、2019年の変更では、懸賞金の総額が8,000円増えた一方、土俵上で受け取る現金は変わりませんでした。
2025年5月:現金3万円から1万円へ変更2025年5月9日の報道で、日本相撲協会が懸賞袋に入れる現金を3万円から1万円に減らす方針を明らかにしました。新しい方式は、同月11日に初日を迎えた夏場所から適用されています。
背景にあったのは、力士が大量の現金を持ち歩くことによる盗難などのセキュリティー上の懸念です。十両以上の力士で構成する力士会から問題が提起され、一部ではキャッシュレス化も提案されたと報じられています。
この変更では、従来、土俵上で受け取っていた3万円のうち2万円を預り金に回す形になりました。結果として、現金が1万円、預り金が5万円となったものの、勝った力士の取り分6万円は維持されています。
制度の変遷を整理すると、次のとおりです。
- 2019年9月:懸賞金を1本6万2,000円から7万円へ増額。
- 2019年9月以降:力士の取り分6万円、協会の手数料1万円という配分に。
- 2025年5月:懸賞袋の現金を3万円から1万円へ減額し、預り金を3万円から5万円へ増額。
- 2026年10月現在:懸賞金は1本7万円、勝った力士の取り分は6万円という制度が続いている。
こうした経緯から、2019年の「懸賞金そのものの増額」と、2025年の「受け取り方法の変更」は分けて考える必要があります。
【企業スポンサーの仕組み】懸賞旗を出す条件と申し込み費用
懸賞は、幕内の取組に対して申し込むことができます。日本相撲協会の公式案内では、希望する取組や応援している力士の取組などに懸賞を懸けられると説明されています。
申し込みは1日1本以上、1場所15本以上日本相撲協会が公表している申し込み条件は、1日1本以上、1場所15本以上です。1場所は15日間のため、各日に1本ずつ懸賞を出す場合、最低費用は次のようになります。
- 懸賞1本:7万円
- 1日1本を15日間:105万円
- 1場所30本:210万円
いずれも税込みの金額です。申し込み後の追加は1本から受け付けています。したがって、企業が1場所を通してスポンサーになる場合、基本的には105万円以上の予算が必要です。
懸賞旗と場内放送には広告効果がある懸賞を出すと、提供者名を盛り込んだ原稿が、その日の会場入場者に配られる取組表に掲載されます。取組直前には場内放送でも読み上げられ、呼出が懸賞旗を掲げて土俵を回ります。
懸賞旗は、横70センチ、縦120センチの規定サイズで、スポンサー側が制作して持ち込みます。土俵上に掲げるため、デザインには一定の制限があります。また、取組表掲載や場内放送に使う提供者名は、活字で15文字以内とされています。
懸賞は単なる賞金提供ではありません。会場内での企業名の露出、取組表への掲載、アナウンスによる認知拡大を組み合わせた広告施策です。応援する力士を指定することもできるため、企業と地域、力士とのつながりを示す役割も担っています。
個人でも申し込める?懸賞の申し込みについては、過去の報道で個人名義では申し込めず、企業名義などで手続きを行う運用が紹介されています。申し込み条件や提供者名の扱いについては、実際に申し込む際に日本相撲協会の懸賞係へ確認するのが確実です。
企業にとっては、懸賞金の金額だけでなく、応援する力士の取組がどれほど注目されるか、どのような形で社名を認知してもらいたいかも判断材料になります。
【歴代最高記録】懸賞本数が最も多かった力士は誰?
懸賞金の記録を比較するときは、1場所で個人が獲得した本数、1取組に付いた本数、懸賞金の総額を区別する必要があります。1本あたりの金額は時代によって異なるため、本数の記録と金額の記録が必ずしも一致するわけではありません。
2026年9月場所、大の里が698本を獲得2026年9月場所では、横綱・大の里が15日間で懸賞698本を獲得しました。日刊スポーツの秋場所千秋楽時点の集計では、懸賞金の獲得額は4,188万円です。1本あたりの力士の取り分6万円で計算すると、698本で4,188万円になります。
これは、2025年9月場所に大の里が記録した519本を上回る数字です。加えて、2015年初場所に横綱・白鵬が獲得した545本という従来の1場所最多記録も更新しました。
ただし、4,188万円は懸賞金のうち力士に割り当てられる金額です。2025年5月以降の支給方式に当てはめると、土俵上で受け取る現金は698万円、本人名義の預り金は3,490万円となります。税金などの扱いもあるため、4,188万円全額がその場で自由に使える現金という意味ではありません。
1取組あたりの懸賞は最大何本?日本相撲協会の公式クイズでは、1取組につき原則50本までという制限が2006年1月場所から設けられ、その後、2017年3月場所から原則60本までとされた経緯が紹介されています。
2015年初場所の千秋楽や2017年初場所の千秋楽には、懸賞の申し込みが集中したため、特別措置として60本、森永賞を含めて61本の懸賞が設けられました。これが公式に紹介されている1取組あたりの最多記録です。
2026年秋場所は懸賞の申し込みも高水準2026年9月場所では、日本相撲協会が発表した事前の懸賞申し込み本数は3,895本でした。デイリースポーツなどの報道によると、申し込みを行った企業・団体は141社に上っています。
一方、実際に掲出された懸賞の本数は3,688本と報じられています。事前申し込みの本数と、実際に取組で掲出された本数は同じではありません。休場などによって予定していた取組が成立しない場合、実際の掲出数が申込数を下回ることがあります。
実際に掲出された3,688本を1本7万円で計算すると、スポンサーの支出総額は2億5,816万円です。力士への割り当て分は合計2億2,128万円、協会の手数料は合計3,688万円となります。
懸賞本数の増加には、企業の広告需要だけでなく、力士個人への注目度や地元企業からの応援も関係します。2026年秋場所では、熱海富士への懸賞申し込みが213本に達し、地元・静岡にゆかりのある企業の支援が報じられました。
【大相撲の懸賞金はいくら】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:大相撲の懸賞金は1本いくらですか?
A1:2026年10月現在、1本7万円(税込み)です。勝った力士の取り分は6万円、協会の手数料は1万円です。
Q2:懸賞袋の中にはいくら入っていますか?
A2:2025年5月の夏場所から、1本あたり1万円の現金が入っています。勝った力士の取り分6万円のうち、残る5万円は本人名義の預り金として管理されます。
Q3:懸賞金の積立5万円は引退するまで引き出せませんか?
A3:引退するまで一切引き出せないというわけではありません。必要な手続きを経て引き出すことができ、税金や引退後の費用などに備えて保管されることが多いと報じられています。
Q4:企業が懸賞を出すには、最低いくら必要ですか?
A4:日本相撲協会の公式案内では、1日1本以上、1場所15本以上が申し込み条件です。1本7万円のため、15日間に1本ずつ出す場合は合計105万円(税込み)となります。
Q5:大相撲の懸賞金で歴代最高記録を持つ力士は誰ですか?
A5:2026年9月場所終了時点では、1場所の個人最多獲得本数は大の里の698本です。力士の取り分で計算すると4,188万円になります。1取組あたりの最多記録は、森永賞を含めて61本です。
大相撲の懸賞金は、2026年10月現在、1本7万円です。勝った力士の取り分は6万円、協会の手数料は1万円。加えて、力士の取り分のうち、土俵上で受け取る現金は1万円、本人名義の預り金は5万円という仕組みになっています。
2025年5月の変更は、懸賞金そのものを減額したものではなく、大量の現金を持ち歩くことによるセキュリティー上の懸念を受けた支給方法の見直しでした。懸賞袋の中身だけを見て、力士の取り分が1万円になったと考えるのは誤りです。
また、2026年9月場所では大の里が698本を獲得し、1場所の個人最多本数を更新しました。懸賞の本数は、力士の人気や注目度、企業の広告戦略を映し出す数字でもあります。
【プロの結論】 懸賞金を理解する際は、「スポンサーが支払う総額」「勝った力士の取り分」「土俵上で受け取る現金」の3つを分けて考えることが大切です。加えて、歴代記録を比較するときは、1場所の獲得本数と金額を区別し、当時の1本あたりの金額も確認すると、時代による違いまで正しく把握できます。